流行らないひとり塾がやりがちなこと

ひとり塾経営で感じるストレス 広告・販促

自塾が流行っているとは言いません。ちょっとした油断、慢心から簡単に廃れるのが世の常です。

自塾も今でこそ利益が出ていますが、数年前は流行らない塾だったわけで…その時の経験を踏まえて流行らない塾がやりがちなことをまとめていきます。

もし当てはまるようなら即刻改善しましょう。

ひとり塾を流行らせるのは難しい

実際厚生労働省の令和4年の統計では1~4人規模の事業所の『学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業』の平均年収は340万円です。

個人事業に限って言えば、その平均年収は279万円…。

もちろん平均ですし、すべてが個人塾でもありませんから一概には言えませんが、それでも個人塾は基本的に儲けが大きい職業ではないことは明らかです。

大前提として、ひとり塾を流行らせるのは難しいということが分かります。

簡単に人気塾になるようなら、こんな平均年収にはならないでしょうから。

なぜひとり塾は流行らせるのが難しいのか

理由は簡単です。

参入障壁が低く、誰でも簡単に始められるからです。

そもそも誰にでも簡単に始められる仕事ほど継続して利益を出すのが難しいものです。

誰でも始められるということは、すでに多くの人がやっているということ。競合が多い業態で継続して利益を出すのは大変です。

初期費用も低く抑えられ、人件費もかからず、特別な資格も不要なのがひとり塾開業です。

継続して利益を出せるような地域で流行の塾になるには、それなりの実績を積まないといけないわけです。簡単に人気の塾にはなりません。

でも、流行らなければすぐに潰れて、結局競合なんてすぐにいなくなるんじゃないの?

簡単に始められるのでどこかが潰れてもすぐに新たな塾が生まれてくるでしょう。

さらに個人塾はつぶれにくいのです。

在庫を抱えるわけでもなく、月の支出が家賃と光熱費程度であれば、資金もショートしにくい。

確かにラーメン屋みたいに毎日何万もの仕入れがあったら、資金がショートしたらすぐに廃業になるな…塾はそんな支出はそうそうないからな~

ひとり塾は、儲からずとも細々とならずっと続けられるわけですね。そうすると危機意識が生まれづらい。

結果的に流行らないひとり塾が量産されていくことになるわけです。

流行らないひとり塾がやりがちなこと

流行らない塾がやりがちなことをしなければ、逆に人気の塾への一歩を踏み出せる可能性があります。反面教師に考えてみましょう。

無暗にコースを増やす

生徒が少ない状況だと、いろいろなニーズに応えようとして無暗にコースを増やそうとしがちです。

ロボットやらプログラミングやら速読やら英会話やら…コースを増やせば生徒も増えるという安易な思考に陥りがちです。

もちろんこういったサービスが悪いわけではありませんよ。

うまくやれる人もいるのかもしれませんが、生徒が増えない状況でやるべきことはむしろ逆だと私は思います。

つまりコースやターゲットを絞ることです。

例えば、「うちは醤油ラーメン一本でやっています!」という個人のラーメン屋と、うちは「中華なら何でもありますよ!」という店。

もしあなたが醤油ラーメンを食べたいなと思っていたらどちらを選択するでしょうか。

せっかく食べるなら専門店に行きませんか?

塾も同じです。

「公立高校を受験する中学生専門」という塾と、「小学生から高校生まで全学年対応」という塾。

公立高校受験に向けた対策を希望しているご家庭には、前者の方が刺さります。

でもターゲットを狭くするのは怖いんだよな…母数が減って問い合わせも減りそうだし…。

ひとり塾では、そもそも少人数の生徒で回していくことが前提なのですから、母数が減っても大きな問題ではありません。

大切なのは、自塾に興味を持ってもらえる人数です。母数が1000人いようが、他塾に埋もれてしまえば興味など持ってもらえません。

一方で、ターゲットを絞って母数が100人になったとしても、その分興味を持ってもらえる割合は増えるわけです。

その方が問い合わせにもつながりやすくなります。ひとり塾の集客で大切なのは母数ではないのです。

もちろん狭めすぎるのもNGです。不登校や学習障害などは母数が少なすぎるので…。

コースやターゲットを絞れば、チラシやホームページもより専門性のあるものにでき、配る地域も限定できるので、販促効果も高まります。

ひとり塾のような小規模事業では、大手のようなラインナップの多さに対抗できるわけがないのですから、コースやターゲットを絞って母数を削ってでも問い合わせを増やせるような戦略を考えましょう。

戦略のないチラシ配布

チラシの内容については、以下の記事でもまとめたのでご覧ください。

チラシの内容も大切ですが、チラシを配る時期も同じくらい重要です。

どれくらいの時期にどれくらいのチラシを配って、結果的にどれくらいの問い合わせがあったのか。

例えば2月3週目、3月1週目、3月3週目、4月1週目の4回に分けてチラシを配った場合、どの時期の反応率が高いのかが分かれば、翌年から時期をずらしたり、反応率の高い週に多く配るなどの工夫ができます。

チラシにクーポンを付けて、そこに配布週が分かるような番号を振っておくのも一つの手ですね。

さらに問い合わせをくれた方には、何を見て問い合わせてくれたのかを必ず聞くようにしましょう。

細かいですが、このようなデータの積み重ねが効率のよい販促戦略に寄与してくれます。

一番ダメなのが、とりあえず適当にチラシを撒いて、反応率も何も考えず、効果測定もせず、ただ馬鹿みたいに待ちぼうけしていることです。

このような戦略のないチラシ配布をしていると、無駄な経費を垂れ流して結果的に利益を圧縮してしまうでしょう。

サイトの質を上げずにSEO対策に課金

ウェブ戦略は確かに重要です。

保護者が検索したときに、上位表示されないとホームページ経由での問い合わせも増えませんから。

しかし、だからと言っていきなりSEO対策(ホームページの上位表示対策)に課金するのは拙速です。

ホームページが稚拙なものであれば、いくら上位表示されてホームページに訪問してくれたとしても問い合わせにはつながりません。

まずはホームページの質を高めることが必要です。

こちらの記事を反面教師にして、まずはホームページの質を高め、訪問してくれた人が問い合わせをしてくれるように動線を整えましょう。

ホームページの質が向上すれば、評価も上がり、上位表示につながります。実力をつけた上で上位表示させたほうが長い目で見れば確実にコストパフォーマンスが高いです。

課金して上位表示させると、ずっと課金し続けないといけないもんな…。課金しても必ず上位表示されるとも限らないし。

アルバイト

これは事情もあるでしょうから、一概に否定はできませんが…。

・塾の仕事は午後からだから、時間がある午前中にアルバイトを入れる。

・売り上げが少ないからアルバイトの収入で賄う。

もちろん悪いとは言いませんが、その時間を塾のブラッシュアップやホームページの改善、近隣へのポスティングなどに使ったほうが、売り上げアップの可能性は高まると思います。

アルバイトの稼ぎが必要なくらい手持ちに余裕がないなら、資金調達で融資を引いて、塾の経営に集中したほうが成功の確率は高まると思います。

流行るまでには時間が必要

生徒が集まらないときにいろいろとやりたくなる気持ちは分かります。

私もそうでした。

しかし、すぐに生徒が集まって地域で流行の塾になる、なんてことは、特に個人塾においてはよほどの事象が重ならない限り無理です。

  1. 目の前の生徒の成績を上げ、顧客満足度を高めること
  2. ポスティングや新聞折込の効果測定
  3. ホームページを洗練させ、ブログなどで情報発信
  4. 1~3を継続したうえで、それでもダメならコースやターゲットの見直し

塾を流行らせるために考えるべきことの優先順位はこれです。

そもそも成績を上げるのに、それなりの時間が必要です。

さらに販促の効果測定も年単位でやらなければいけませんし、ホームページの洗練やブログの情報発信も継続しなければなりません。

地域で流行る塾なんてすぐには作れません。

3,4年やってそれでも効果が出なければ、コースやターゲットの見直しが必要かもしれません。

重ねて言いますが、ここでロボットやらプログラミングやらとコースを増やすのはおすすめしません。そもそも3,4年やって生徒が集まらないのに、ちょっと外部サービスを入れたとたんに問い合わせが増えるわけがありません。

まずはコースやターゲットを絞る方向で考えてみることをおすすめします。

あくまで自塾の一例ですが…

まだ年収が500万にもいかなかった頃、より売上を上げるために、まずターゲットを絞りました。

具体的には、小学生高学年を対象から外しました。

中学生と高校生だけにして、塾のオペレーションを減らしました。

さらに中学生と高校生のコースを細分化して、より生徒のニーズに対応できるようにしました。

細分化というと増えている印象がありますが…

全員同一コースの指導だと、どうしてもニーズが合わずに余計な仕事が生まれてしまうことがありました。

生徒としては、テキストの進捗管理を必要としていないのに、コースに入っていて料金をもらっている以上はこちらもやらないといけない…みたいな状況ですね。

生徒のニーズにフィットするように細分化すると逆に余計な仕事が減り、生徒の満足度も上がり、問い合わせも増えてきました。

ターゲットを絞り、コースを最適化する、というのが自塾の場合は功を奏したわけです。

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