塾を始めるとき、全国展開している大手塾のチラシやホームページ、運営方法を参考してしまう人も多いのではないでしょうか。
俺は大手の個別指導塾から独立したからな~前職の戦略をそのまま参考にしているぜ!
知名度抜群で収益性の高い大手塾を真似をしたくなる気持ちもわかります。
しかし個人塾、特にひとり塾においては、大手のマネは危険です。
大手塾の販促戦略をマネてはいけない理由
資金力が圧倒的に少ない
大前提、大手塾はとにかく資本が潤沢です。
この潤沢な資本を使ってたくさんのチラシをまくだけでなく、ネット広告やYouTubeなどでも販促を勧め、講習などの書き入れ時のたびに資金を投入し募集をかけます。
もちろん異なるでしょうが、とにかくひとり塾と比べれば資金力の差は圧倒的でしょう。
開業したてで資金がどんどん飛んでいくなかで、チラシに100万も200万もかけられないよ…
大手のような資金力を生かした販促戦略はひとり塾には適していません。
知名度が全くない
とりあえず塾を開いて、チラシをまけば10件とか20件くらいは問い合わせがあるんじゃないの?
開業前は誰しもがこのような想像(妄想)をしたことがあるのではないでしょうか。
だって数千枚のチラシを撒くんですよ?20件なんて楽勝に感じるじゃないですか。
でもこの考えが成立するのはすでに知名度がある大手塾だけです。ひとり塾ではほぼ無理。
すでに知っている安心感や信頼感というのは非常に大きな差です。
確かに個人塾なんかよりも全国的に知名度のある塾のほうが安心だよな…成績が上がるから全国にあるんだろうし、やることも全国共通だろうし
その点個人塾、ひとり塾というのは知名度ゼロで安心感も信頼感も皆無。
それなのに、あたかも『知名度がありますよ!』みたいなこんな感じのチラシやホームページをたまに見ます。
未来の扉を開ける
最初の一歩は○○塾
このようなイメージ画像と抽象的なキャッチコピーは、すでに知名度があるからこそ成立します。
具体性がなくても『あの塾ね!』と最初から知ってもらえているからです。
これを個人塾、ひとり塾でやると…
結局この塾はどんな塾なの?ほかの塾と何が違うの?こんなイメージ画像見せられてもよく分からない…まあ大手の知ってる塾のほうが安心かしら
同じようなチラシを作れば、保護者は確実に大手を選びますよ。
割ける人員が1つしかない
大手の塾なら、割ける人員はたくさんいます。
ちょっと極端な例ですが、アルバイトがいればポスティングを頼んだり、校門前配布を一緒にお願いしたり、など人員を生かした販促戦略がとれるわけです。
一方でひとり塾で割ける人員は我が身一つ。
人海戦術の販促戦略は特にひとり塾では全く機能しません。
ひとり塾がとるべき販促戦略
『具体性』を示す
大手塾のようにイメージでチラシを作っても保護者は見てくれません。
ひとり塾はその逆、つまり『具体性』をしっかりと押さなければなりません。
- 自立心を養う
- 問題解決能力を鍛える
- 勉強のやり方を教える
こんな漠然とした抽象表現では保護者は見向きもしません。
自立心?問題解決能力?なにそれ?…勉強のやり方だけ教えられても…うちの子はそこじゃないんだよな…
週3日毎回最低2時間自習!指示したところまで終わらせて、チェックを受けてOKが出るまでは帰れません!全中学生平均週10時間は塾で勉強しています!
どうでしょう?なんか想像できませんか?必死で勉強している子の姿が。
うちの子さぼり癖あるから、ここまでしてくれれば成績上がるかも!話を聞いてみようかしら!
塾長を前面に出す
大手塾との大きな違いは、ひとり塾では塾長の転勤もなくずっと同じ人に見てもらえるということです。
だからこそ、塾長がどういう人かというのは気になるところです。
そこで、チラシやホームページでは塾長を前面に出すことをおすすめします。
『この人なら任せられそう』と思ってもらえるような写真のポイントとしては…
- 清潔感のある服装と髪型
- 笑顔またはキリっとした真剣な顔
- 他の人に取ってもらったもの(自撮りは微妙)
私は、写真撮影を生業にしている人に依頼することをお勧めします。
正直印象が全然変わりますから…さすがお金をもらって写真を撮っているだけあるって感じです。
私は写真撮影を副業にしている友人に撮影してもらいました。その後ホームページからの問い合わせが一気に増えたことを覚えています。(お礼を伝えたら飯をおごらされたので笑)
内部施策に注力する
動ける人がひとりしかいないひとり塾では、ポスティングや校門前配布を自分でやってしまうと、その間塾の業務は全く進みません。
1人で配れる数などたかが知れているわけですから、問い合わせにつながる可能性もそれほど高くはないでしょう。
そういった仕事は外注し、誰かにやってもらい、その間自分は塾の中の内部施策に集中しましょう。
- 授業の質を高めるための準備をする
- ホームページを洗練させる
- ブログを書く
こういった仕事は自分にしかできません。チラシを配るだけなら誰だってできるわけですから…。
自分にしかできない仕事に注力できるように、販促戦略を考えましょう。
大手塾のマネをした末路
大手のマネはできないということは、ある程度賢い人なら早い段階で気づきます。
資金力も人材も知名度も抜群の大手塾と、開業初期で資金が一気になくなる中たった一人で開業した誰も知らない個人塾。
この2つが同じ販促戦略をとれるはずがありません。
気づくことができればいいのですが、気づけない人は、資金がどんどん減っていく中で全く反応のないチラシを撒き続けることになります。
反応がないのに焦って、空いた時間にたったひとりでポスティングや校門前配布など、効率の悪い販売戦略をとってしまいます。
チラシの反応がないので、自信がなくなり配布部数を減らしていき…
資金も体力も削られ、精神的にもどんどん追い込まれていき、開業数か月で『廃業』の文字が頭を掠めることになるかもしれません。
唯一マネをするべきなのは
唯一マネをするべきなのは「チラシを配る時期」です。
大手塾はその地域のマーケットを徹底的に分析してチラシを配っています。
その時期に合わせてチラシを配ることで反応率を高めることが出来ます。
開業の1年前から何月の何週目の何曜日にどの塾がチラシを配っているのかをチェックしておきましょう。
さらに大手塾と自塾のチラシを比べてもらうことで、より塾のアピールにつながりやすいという利点もあります。
塾を探している保護者は、紹介でない限り、ほぼ確実にいろいろな塾を比較検討しています。
新聞折込に入っている塾のチラシを何枚か取っておき、気になる塾をピックアップするわけです。
そこに、取り組みが具体的で塾長も前面に出てアピールしている、見慣れない塾のチラシがあれば気になります。
ネットで検索してみると、塾長の熱い思いが伝わるブログがあったり、魅力的な指導方針があれば、より問い合わせにつながりやすくなると思いませんか?
これは時期が外れると効果は薄まってしまうので注意が必要です。
早すぎれば、まだ塾を検討する熱が高まっていないかもしれませんし、遅すぎれば、もう通う塾を決めてしまっているかもしれませんから。
1年前からチラシのリサーチをしっかりとやっておくことをおすすめします。