皆さんは学習時の周りの音について考えたことがあるでしょうか。
『図書館みたいに静かなところで勉強したい』
『カフェみたいに少しざわざわした環境のほうが集中できる』
人それぞれ好みあると思いますが、ひとり塾の学習環境はどのように整えるべきなのでしょうか。
完全無音は学習に適さない?
私はひとり塾の学習環境として『完全無音』はおすすめしません。
試験の際に完全無音という状況はほぼないからです。
高校入試、大学入試の会場は、空調の音、周りの受験生が紙をめくる音、シャーペンで書く音、椅子をひく音、咳やくしゃみなど、何らかの騒音は常にあります。
さらに救急車のサイレンやエンジン音などもあるかもしれません。
普段完全とまでは言わずとも無音での学習に慣れてしまうと、このような環境音で簡単に集中力を乱されてしまう可能性があります。
特に大学入試の共通テストのような、時間との闘いで短時間集中が必要なテストでは、集中力を乱されやすい子ほど点数が伸びにくいです。
集中力の醸成のためには普段からある程度音がある環境で勉強することに慣れておくことが必要です。
この『適度な騒音』をどのように作ればよいのでしょうか。
適度な騒音の作り方
BGMとして音楽を流す
無音でない環境を作る一つの手段が『音楽』を流すことです。
音楽なんて流したら、そっちのほうに意識が向いちゃうんじゃないか?
確かに、特に知っている曲だとそちらに意識が向いてしまうかもしれません。
逆に言えば、そのような環境でも集中して勉強できるようになれば、試験時の騒音に集中力を乱されにくくなるということです。
これはカフェで勉強するのと同じです。
あのような雑音が多い環境でも集中して取り組めるのなら、かなり強靭な集中力が身についているということです。
さすがに塾でそのような環境を作るのは難しいので、適度な音量で音楽を流すのは一つの手段としてアリではないでしょうか。
一方で、音楽を流す際は著作権に注意が必要です。
塾でも商用でBGMを流すことは著作権法違反となるようです。
え~…ミスチルのアルバムをエンドレスで流そうと思っていたのに~
小さな個人塾だからと言ってルール違反はダメですよ。保護者がJASRACの関係者かもしれないですからね!
著作権フリーのオルゴールのヒーリングミュージックなどがおすすめです。
空調で環境音を作る
夏場や冬場はエアコンや空調を使うので、これらで環境音を作ることは難しくありません。
受験は主に冬にあるので、暖房の音が常にある状態がほとんどです。
空調を使っていれば受験の教室環境の音とほぼ同じになるので、多少の騒音に体を慣らすのにちょうどいいです。
ただ、最近のエアコンは静音が優れているものも多いので、環境音として認識できない可能性もあります。
ノイズマシンを使う
環境音をうまく作れない場合は、ノイズマシンを使うことを検討してみてはいかがでしょうか。
私自身は使ったことがないのですが、環境音のCDを探しているときに偶然見つけました。
快眠グッズのようなのですが、15種類の環境を自由に出せるスピーカーみたいなものです。
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ひとり塾は特に学習環境に気を遣う
そんな多少の音なんてどうでもいいよ!と思われるかもしれません。
実際、これで顧客満足度が上がるものではないでしょう。
しかし、ひとり塾だからこそ、このような細かいところにも気を遣うべきだと思います。
ひとり塾はそもそも生徒数が少ないので、勉強時は本当に静かになります。
一方で集団塾や個別指導塾などは、周りで勉強している子も多く、常に多少の騒音にはさらされている状態です。
どちらが受験環境に近いでしょうか。
ひとり塾は性質上、もっとも受験環境から遠い形態の塾であると私は思っています。だからこそ、少しでも受験環境に近い状態を作り、簡単には乱れない集中力を身につけさせたいと思っています。
ちなみに自塾ではオルゴールCD+空調で環境音を作っています。空調を使わないときはホワイトノイズマシンを活用します。