生徒の退塾は即日適用する

心構え

即日適用とはつまり『退塾したい』と申し出たその日に退塾できるようにするということです。

これは大手の塾なら難しいでしょう。組織としての対応が必要でしょうから。

一方ひとり塾は、塾長の裁量しかありませんから、即座に対応できます。

自塾は退塾の申し出があればその日から退塾できるようにしています。

退塾は事前申出が必要?

多くの塾では退塾に対して、前月の○日までに申し出が必要、という制限を設けています。

私も、アルバイト時代の大手塾を踏襲し、開校後数年はこの方式でやっていました。

私感ですが、塾には返金を嫌う傾向があるように感じます。

これは特に大手のような多くの生徒を抱える塾の場合、返金対応を可としてしまえば、場合によっては多くの返金処理が必要になり、売上が減るだけでなく、事務処理も増え、利益の見通しも立てられず、経営上損しかないからだと思われます。

たしかに1人1万の返金でも全国で何十人、何百人といればすごい額の返金が必要になるな。

そういった大手の手法を踏襲してか、塾業界全体で返金を嫌う風潮があるように感じます。

しかしひとりで塾を運営していると気づくわけです。

「これ別に振り込みで返金すればいいんじゃないか?」と。

退塾に対して即時対応すべき理由

退塾に対して即時対応するべき理由はシンプルです。

保護者、生徒、塾それぞれにとって、退塾を引き延ばすことに何のメリットもないからです。

保護者からすれば、効果がないと判断した塾に通わせ続けることになります。

生徒からすれば、辞めることが決まっている塾で、高いモチベーションで勉強することなどできないでしょう。

塾からしても、辞めることが決まっている生徒に高いモチベーションで指導することなどできません。

例えば、退塾が決定した生徒が宿題を忘れてきた時に、あなたならどうしますか?

本気で叱ることができるでしょうか。

私なら『まあ…あと少しで辞めるから別にいいか』と考えてしまいます。

辞める生徒ではなく、これからも塾で頑張る生徒にエネルギーを使いたいという想いになるのは当然です。

一方で生徒も来たくて来ているわけではありません。親から『お金が勿体ないから行け』と言われて仕方なく来ているのでしょう。

せっかく来ているのにエネルギーを向けてもらえないわけです。

その態度の差を子供は敏感に感じ取ります。ただでさえ気まずい気持ちでいるのですから。

それが親に伝わりでもすれば、クレームにつながる可能性が高いです。

うちだって仕方なく行かせていてお金も払っているのに態度が違うのはおかしいでしょ!

辞める保護者から最後にクレームをもらうのは最悪です。直接言われなかったとしても嫌な印象を持ったまま辞められてしまえば、口コミに影響します。

そんなリスクを背負うくらいなら、初めから申し出と同時に辞めてもらった方が、お互いすっきりした気持ちで切り替えられると私は思います。

返金方法

自塾では、未実施の授業分の料金を口座への振込で返金します。

振込手数料がかかる場合は保護者に負担してもらいます。

私は退塾が決まった後に保護者や生徒に直接会いたいとは思いません。

表面的に繕った言葉しかかけられませんから。

本当に言いたいことがあったとしても、最後に厳しいことを伝えることにあまりメリットがありません。

保護者にとっても気まずいでしょうし。

LINEで簡単な挨拶をするくらいで済ましています。

こういう事情もあり、自塾は直接の返金ではなく口座振込で返金をします。

ちなみに当然ですが、どこまで返金OKでどこまで返金NGなのか、規約に明記しておきましょう。

例えば過去に授業を休んでその振替をまだ実施していない場合、その分の返金はありません。

すでに購入済の教材費やシステム利用費も返金はできません。

口座振込以外の返金(直接現金で返金など)も受け付けません。

気持ちを切り替えるためにも即時退塾OKに

生徒が退塾するのはショックなことです。

気持ちを素早く切り替えるためにも、私はすぐに退塾する生徒に去ってもらうのがよいと思っています。

確かに恋愛でも、未練がましい奴は新しい恋を見つけられないもんな~

次の生徒が入るまでの売り上げ確保のために、退塾に制限を設けるのはケチな考えだと思いますね。

保護者、塾、生徒の3者ともモチベーションのない状態で通塾を続けても得られるものは大してありません。

塾がどれだけモチベーション高く指導できても、生徒と保護者のモチベーションはもう次の塾に移っていますから。

スパっと返金して、はい、さようなら。の方が気持ちよく切り替えられると思います。

これが自塾の考えです。参考までに。

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