【学習塾開業はオワコン?】学習塾という業態は今後生き残ることができるのか

心構え

今やAIを代表する科学技術の進歩でいろいろな仕事が自動化されています。

このような社会変革の中では自然淘汰されていく仕事が出てくるのは仕方ないことです。

では、今後確実に少子化する日本において、学習塾という業態は生き残ることができるのでしょうか。

これから何十年と学習塾経営でご飯を食べていくことを果たして可能なのでしょうか。

少子化で学習塾はなくなる?

少子化と学習塾経営は切っても切れない関係といえます。

子供の数が減るということは、つまり潜在的な顧客の数が減るということです。少ない子供を多くの塾で取り合う形になれば、実力のない塾は淘汰されていくことになるでしょう。

2024年の7月にも、ある大手の個別指導塾が経営破綻しました。

さらに子供の数が減っていけば、働くアルバイトの数も減っていきます。アルバイトの確保が難しくなり、指導できるレベルにないような大学生ですら採用せざるを得なくなる可能性もあります。

講師の実力が落ちれば生徒の成績も上がらず、結果的に淘汰されていくことになります。

学習塾の数が減っていくことは確実でしょう。

しかし学習塾が減るからと言ってニーズがなくなるわけではありません。

子供が勉強し続ける限り、学習塾のニーズというのは常にあり続けます。

このような状況下で生き残る塾はどんな塾か。

結局最強なのは『成績を上げられるひとり塾』です。(ポジショントークになってしまいますが…)

  • アルバイトの採用に困ることがない。
  • アルバイトの指導力に依存することがない。
  • 生徒が少なくても人件費がかからない分利益を残せる。
  • 口コミで集客できる。

もちろん独力で何十人もの生徒を指導し、成績を上げるのは簡単ではありません。

しかしこれができる塾長なら、少子化がむしろ追い風となる可能性すらあるのです。

AIの進歩で学習塾は不要になる?

近年目覚ましいAI技術の進歩で、わかりやすい授業をいつでも視聴できるだけでなく、自分の弱点分析や復習計画の立案までやってくれるようなICT教材も出てきています。

今まで塾の先生がやってくれたことがすべて家でやってもらえるわけです。

こんなにすごい教材が出てきたら、もう塾なんて必要なくなるんじゃないか?

このよう思う人も出てくるでしょう。

しかし塾講師としていろいろな生徒と接してきている人なら、こうはならないことは容易に想像できるはずです。

どれだけICT教材が発達しようが、使う生徒の意識が伴わなければ何の意味もありません。

豚に真珠、猫に小判。

結局優秀なICT教材を使いこなせるような意識の高い高学力層がさらに成績を上げるだけで、意識の低い低学力層は学習塾でマンパワーで指導してもらうという構図は変わらないでしょう。

勉強ができない子はICT教材など自発的に使いこなすことなどできません。

使うにしても結局周りのサポートが必要なので、ここにも塾のニーズが生まれてくることになりそうです。

推薦入試の拡充で学習塾は不要になる?

近年、筆記試験を必要としない推薦型の入試形態を拡充させる大学が増えてきています。

推薦入試対策専門塾なる学習塾も出てきている現状です。

日本も将来的にはアメリカのように、学力以外の要素を重視し、入学自体は比較的優しい一方で卒業は厳しい、という時代に突入するかもしれません。

そうしたら受験対策として子供を塾に通わせるようなこともなくなるんじゃない…?

ただ、推薦入試の要件には高校の内申点の基準を設けているところも多く、結局定期テスト対策のニーズが減ることはないでしょう。

また、国公立大学の入試はいまだに一般受験の割合が高いです。

指定校推薦や総合型選抜を考えている子には定期テスト対策を中心とした指導を、一般選抜を考えている子には受験対策を中心とした指導を提供する。

このような生徒のニーズに応じた指導が必要になるでしょう。

生き残る塾に必要なもの

東京商工リサーチのある記事を紹介します。

少子化が言われて久しいが、2023年の学習塾市場は休廃業・解散が113社に対し、新設法人は519社と大幅に新規参入が上回っている。学習塾の形態は、集団指導塾、個別指導塾、コロナ禍で広がったオンライン塾など多様化し、それぞれ特徴を打ち出している。


 学習塾は小資本でも創業出来る一方、顧客ニーズに合ったスタイルを求められている。また、最近はネット上に無料の学習コンテンツが多数アップされ、生徒獲得の競争相手が増えている。


 同時に、成績アップや合格実績など、目に見える結果も問われる。保護者に注目される実績をあげる人材獲得への投資も嵩むが、教育費を負担する保護者の厳しい選択に応えることも必要だ。

  
過当競争が続く学習塾市場は、生き残りをかけた競争が繰り広げられ淘汰の波が高まっている。

©東京商工リサーチより引用 https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198740_1527.html

少子化の時代に学習塾を開業するのはオワコンかと思いきや、廃業よりも新規参入のほうが圧倒的に上回っているようです。

法人格の学習塾でこのレベルですから、個人事業主レベルの学習塾はさらに多いと予想されます。

そのなかで生き残るに必要なものが「顧客ニーズに合ったスタイル」と「実績」というのは、私も同意です。

『顧客ニーズにあったスタイル』と『差別化』を混同してはいけません。

いくら周りの塾と違う指導を提供しようが、それが顧客ニーズに合っていなければ見向きもしてくれません。

では塾における顧客のニーズは何かといえば、やはり、成績アップと志望校合格です。

どのようなスタイルでサービスを提供しようが、このニーズを満たす塾こそ少子化でも生き残る塾です。

ここから目を背けた中途半端な差別化は危険です。

とがりまくって振り切ってしまえば逆のニーズがあるかもしれませんが、塾開業初心者には少しハードルが高いですね。

学習塾経営はオワコン?

結論、学習塾はオワコンではなく、今後も高いニーズを維持し続ける業態であると私は考えています。

一方で子供の数が減る未来はおそらく変わりません。

つまり少ない生徒をたくさんの塾が奪い合うような苛烈な競争が生じていくということです。

多くの生徒を低単価で集客し、たくさんの大学生や社員で回す「大人数低単価」の戦略をとる個人塾はじり貧になっていくでしょう。

生徒の集客だけじゃなくてアルバイトの募集も厳しくなってくるもんな…

大人数低単価戦略をとれるのは、集客せずとも口コミで常に満席になり、卒業生から講師を常に確保できるような、カリスマ性の高い塾長がある超人気塾くらいです。

ただ、そのような塾はそもそも低単価にする必要がないですからね。

やはり、「少人数高単価」が一番経営が安定するのは間違いありません。

その一つの形が、私がおすすめする「ひとり」塾経営です。

まずは「ひとり」塾経営で、地域で信頼ある塾として口コミを増やすことから始めましょう。

塾長しての信頼を勝ち取ることができれば、塾経営はオワコンどころか、地域の人気を独占することもできるかもしれないのですから。

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