自立型の学習塾で成功するために必要なこととは?

心構え

塾には様々な形態があります。もとは集団が一般的でしたが、集団授業についていけない子の受け皿のような形で個別指導が生まれました。

個別指導が一世を風靡して10年以上が経ち、今度は「自立型」という塾が流行っています。

なぜ自立型が流行っているのか

以前の記事で触れているのでこちらも是非ご覧ください。

近年自立型が流行っているのは、「教材の進歩」が理由です。

ただの授業動画ではなく、学習の計画から授業、演習、苦手な内容の復習まですべてをやってくれるようにプログラムされた教材がたくさん出てきています。

つまり、塾で先生がやってくれるような仕事をAIのプログラムがやってくれるわけですね。

現に自立型教材の会社のホームページを見ると大抵以下のようなことが書いてあります。

  • フランチャイズのように加盟金やロイヤリティはかかりません!
  • AIが教えるので講師を雇う必要がなく人件費がかかりません!
  • 教材が分かりやすく授業をするので塾長は指導が楽になります!

めちゃくちゃいいじゃん!俺も自立型でやろうかな~

これだけ見たら、惹かれる人もいるのかもしれません。

自立型で失敗する人の特徴

指導力のない人

自立型の学習塾は、塾長の指導力なくして成立しません。

えっ…でも教材が分かりやすく教えてくれるんだから、別に自分が教えるの下手でもなんとかなるんじゃない?

どれほど教材が優秀であろうが、使う生徒のレベルは様々です。

分からないところなど当然に出てきます。

それを的確に質問できる成績上位層なら問題ないのかもしれませんが、成績下位層はそもそも自分が何を理解できていないのかがわかっていないことがほとんどです。

そんな状態でも、分からないところを的確に見極め、わかりやすく指導できるだけの分析力、指導力が必須です。

例えば連立方程式が解けない子がいたとして、それが連立方程式の解き方を理解していないのか、そもそも方程式や文字式の計算方法から理解できていないのか、成績下位層には判断できません。

生徒に足りない知識を即座に把握し、もっと根本から指導したり、復習のカリキュラムを組むなどの対応が必要です。

そういったときにこそ、塾長の分析力や指導力の真価が問われます。

復習を自動で組んでくれるシステムもありますが、定期テストまでのタイムリミットがあるので、いつまでもダラダラやらせているわけにはいきません。

どれくらいの復習をいつまでにやるかなど、細かい指導計画は塾長が生徒の様子やレベル、目標を鑑みて考えなければなりません。

ただ教えているだけのほうが楽ですよ。

自立型はそれ以外のフォローの負担が大きいと覚悟しておいてください。

消去法で選んだ人

『こんな塾にしたい!』『こんな指導をしたい!』という信念をもって起業するのではなく、リスクや不安なことを排除した結果残ったものを選ぶ。

残念ながらこのような消去法で自立型を選んでもうまくはいきません。

はっきり言って自立型の学習塾は、全学習塾業態の中で最も参入障壁が低く、だれでも簡単に始められる塾です。

消去法で選ぶような人が最後に行きつく選択肢なのですから。

そして、誰でも始められるような仕事は、継続して利益を上げることが非常に難しいです。

参入障壁が高いほど利益は出やすいですし、低いほど利益は上げづらい。常識です。

どんどん淘汰されていく中で、それでも信念をもって指導している塾が残っていくのです。

とてもじゃないですが、楽して儲けられる仕事じゃないですよ。中途半端な覚悟ならやめておいた方がいいで鵜s。

自立型で成功するために必要なこと

教材に依存しない

自立型の学習塾で失敗する一番の要因は、自立型教材に依存した指導をしてしまうことにあります。

そもそも、これをやってさえいれば成績が上がる、なんて魔法のような教材は存在しません。

どんな教材でも使う人の意識によって効果は変わります。

一方で成績が伸びない子供が、成績があがるような勉強への意識を持っているわけがありません。

そんな意識があるなら、とっくに成績は上がっているわな…

となれば、教材は使わせる人間次第ということになります。

どんな教材を使うかではなく、塾長がどのように教材を使わせるか次第ということです。

同じ教材を使っていても人気が出る塾と、早々に廃業する塾が出てくる理由はまさにここにあるのです。

指導力を身につける

最低でも義務教育である中学レベルの学習指導は一通りできないと、ひとりで自立型学習塾を運営することは難しいでしょう。

自塾でも自立型教材を活用しているのでよくわかりますが…

どんなにわかりやすく解説をしてくれる教材でも、分からない子や解けない子は必ず出てきます。

どんなレベルの子でも1から独力で完璧に理解させられる自立型教材はないと思ってください。

そんなときの最後の砦が塾長の指導です。

『分からないところがあっても、塾長に聞けば解決できる』という安心感があって初めて自立型教材の運用が成立するのです。

これがなければ、保護者は早々に気づきますよ。

『塾長いらなくない?』って。

実績にこだわる

自立型学習塾は『自立して学ぶ力を養います』『勉強のやり方を教えます』など、いわば指導の【過程】を前面に押し出す傾向にあります。

こういう指導をしますよ!ってところです。

これ自体は別に構いません。

しかし、その指導を受けたことでこんなに成績が上がります、という【結果】を示さない限り、それは結局無責任なきれいごとで終わってしまいます。

確かに勉強のやり方は教えるけど、結果はどうでもいいなんて無責任だよな…。学ぶ力なんて目には見えないし…。

成績が上がるという結果を示すからこそ、学ぶ力を育てるなどどいった漠然とした言葉に説得力が出るのです。

自立学習塾こそ、実績から逃げてはいけません。

放置型学習塾にならないために

  • 授業、学習計画、進捗管理などをすべて教材に依存し、塾長は見守るだけで、生徒の学習に介在しない。
  • 塾長が質問に対して答えられない。生徒の疑問を解決できない。
  • 生徒がどんな勉強をしているのかを塾長が全く把握していない。

これらに当てはまればその塾は自立学習塾を謳ったただの放置型学習塾です。あなたにそのつもりがなくても保護者はそう思います。

だからひとりで自立学習塾を運営するのは難しいのです。

自立型教材に依存することなく、ひとりで何十人もの生徒の成績や進路を把握し、学習計画を立て、進捗を管理しながら、質問対応をし、成績をあげていくのです。

初期費用の安さや人件費の有無、運営の楽さなど、消去法で自立型の学習塾を選ぶとあとで後悔します。

参入障壁が低い、誰でもできる仕事ほど継続して利益を出すのが難しいのですから…。

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