近年流行しているのが『自立型の学習塾』です。
自立学習塾って最近よくみるな~
自立学習塾とは
自立学習は、あらかじめ決められたカリキュラムを基に生徒主体で学習を進めていくスタイルです。
塾長がカリキュラムを作成し、それに沿って学習を進め、必要があれば塾長の指導やオンラインなどで授業を受け、質問をしながら学習を進めていきます。
なぜ自立学習塾が増えてきたのか
20年くらい前に「個別指導塾」がブームとなりました。
主流だった集団塾で授業についていけない子が、「一人一人に先生がついてくれる」という触れ込みで個別指導塾になだれ込み、ブームとなったのです。
子供の数も多く、当時としては時給が高く、優秀なアルバイトも確保しやすかった背景もあり、一気に個別指導塾が増えていったようです。
では今現在、自立学習塾がブームとなっている背景は何なのか。
それはズバリ「少子化」と「働き方改革」です。
人を雇わずに塾長ひとりでも開業できる
少子化が進んでいる日本。
そんな中で生徒だけでなく、アルバイト講師の確保が難しくなってきています。
SNSを見ると生徒の募集よりも先生の募集の方が大変だという塾長さんもたくさんいます。
その点自立学習塾では人を雇う必要がありません。人件費がかからないので低リスクで事業を始められるというわけです。
たしかに人を雇うって初めてだと結構ハードル高いよな~
人件費がかからないという点ではひとり塾との親和性も高いように感じます。
人を雇わず塾長ひとりでも運営できる自立学習塾は、時代のニーズにフィットしたともいえます。
教えるスキルが必ずしも必要ない
一昔前だと、『いい塾=授業が分かりやすい先生がいる塾』というイメージでした。
しかし今ではオンラインでどれだけでも分かりやすい授業が視聴できます。
昔は塾に入らないと受けられなかった授業が、家にいながら月額2000円程度で制限なく視聴できるわけです。
授業をオンラインに任せてしまえば、塾長に教えるスキルが必ずしも必要というわけではなくなるわけです。
指導力がなくてもできるという点において、個別指導塾や集団指導塾よりも事業としてのハードルが低いようです。
さらに今では授業だけでなく、学習管理や進捗管理などもやってくれる学習システムがたくさんあります。
ここまでやってくれるなら、塾長要らないんじゃないか?と思うほどです。
総じて参入障壁が低い
人件費もかからず、指導力も不要。
言ってしまえば、金もなく大したスキルがなくても開業できますよ、ってことです。
たしかに学生時代にちょっとアルバイト経験があれば、最初に思いつく起業かもな~
この参入障壁の低さが、自立学習塾を流行らせた一つの要因と言えます。
自立学習塾の落とし穴
塾長の個性を出しにくい
私がいろいろな塾のホームページを見て感じたことですが、流行っている自立学習塾はとにかく『塾長の個性』が強いです。
求心力とも言えます。
指導力が乏しいからと言ってオンラインの授業に丸投げしてしまうと、『塾長の個性』が塾から無くなるということです。
同じ教材使ってたら、どの塾も一緒ってことだもんな。それはほぼフランチャイズと一緒だな。
塾長の色が何より大切なひとり塾では、教材に依存した指導をするべきではありません。
教材をうまく活用しつつ、塾長の個性、すなわち塾の個性を出す工夫が必要です。
塾長の指導力が必要不可欠
実は、自立学習塾こそ、塾長の指導スキルが必要不可欠です。
えっ、分かりやすいオンライン授業に任せればよかったんじゃないの~!?
たとえ授業が分かりやすくても、生徒のレベルによっては疑問点が出てくることもあるでしょう。
そんなとき頼れるのは誰ですか?塾長だけですよね。分からない所を質問したら…
いや、俺は教えられないよ?自分で調べて~
こんな対応では生徒の信頼を一瞬で失います。
『何か分からないことがあっても、塾長に聞けば何とかなる』という安心感があって初めて自立学習塾は成立するのです。
自立学習塾で成功するには
これまでのことを踏まえれば、
- 教材に依存せず、教材を活用して自立型の指導システムを作ること。
- 塾長に指導力があること。
これが自立学習塾で生き残るために必要なスキルです。
誰でも始められるけど、継続して利益を出すのは難しいってのが自立学習塾の意外な落とし穴です。