ひとり塾経営における高校生指導の重要性

心構え

どの学年をメインターゲットにするのかは塾経営において非常に重要な要素の一つです。

その中でも高校生の指導ができるかどうかは、ひとり塾の経営の安定化を図るうえで非常に重要です。

高校の内容は教える自信がないんだよな~

高校生を指導する自信がない、という理由で高校生指導に二の足を踏んでいる人も多いと思います。

一方でそういう人に限って、高校生が個人塾に何を求めているのかをいまいち把握できていません。

高校生指導が個人塾の経営を安定化させる

高校生の指導は個人塾の経営を安定化させます。特にひとり塾においてはなおさらです。

自立している分、指導の負担が少ない

ひとり塾経営においては、小学生が多くなるほど管理運営が難しくなると考えています。

もちろん全員が全員そうではありませんが、気分にムラがある小学生は、放っておけば何もやりませんから…。

うるさい子には注意をし、注意力散漫な子には声掛けをし、1人ひとりに手がかかりがちです。

その上、単価も上げにくいので、低単価で高労力という、ひとり塾運営にとって好ましくない状態になりがちです。

その点、自立してやれる高校生が多くなるほど運営は楽になります。1回指示すれば自分で考えてやってくれるのでオペレーションも楽です。

単価が高い

一般的に小学生より中学生、中学生より高校生のほうが単価を上げやすいです。

さらに受験生は勉強量を上げるために塾を活用しようとする機運が高まります。

大学受験を控えた高校3年生なら平均単価3万も難しくありません。

予備校ともなると最低でも月5万の世界ですから、これでも安いほうです。

単価が高ければ、生徒数が少なくても売上が上がります。少人数高単価は、ひとり塾の安定経営の必須条件です。

通塾期間を長くできる

中学1年生から高校3年生まで通ってもらえれば、6年間通ってもらえるわけです。

言わずもがな、1人の生徒に長く通ってもらえるほど経営は安定します。

長く通ってくれるということは、それだけ塾長を信頼してくれているということですから、退塾も発生しにくいです。

長く付き合いがある分、信頼関係も構築され、口コミの発生率も高くなります。

いや、高校生がいいのはわかるんだけど、高校生を教える自信がないんだよ…

高校生は授業を求めていない

私は高校生指導を10年以上やってきて、多くの高校生やその保護者と話をしてきました。

その中で分かったことがあります。

それは、わかりやすい授業を受けるためにわざわざ個人塾を検討する高校生はあまりいないということです。

冷静に考えればわかります。

分かりやすい授業なんて別に塾に行かなくても、今や自宅で簡単に安価に手に入る時代です。

YouTubeには、授業や指導に自信がある全国の人が解説動画をアップしてくれています。

月額2000円程度払えば、予備校レベルの授業を全教科見放題です。

たとえ授業を受けたいという子がいたとしても、大手集団塾を選択します。

わざわざ個人塾なんて選びません。

たしかに授業を受けるだけで成績が上がる子なんて、もともと勉強できる子だよな…

高校生が個人塾に求めるもの

では個人塾を検討する多くの高校生が望んでいることは何か。

それは、『勉強の取り組みに対する個別のサポート』です。

高校生の話を聞いていると、以下のような悩みを持っている子が非常に多いです。

  • 今の成績がヤバいことは分かっているが、何をすればいいのか分からない。
  • どんなテキストをどのように進めていけばよいか分からない。
  • 計画的に勉強することができない。

結局環境の問題ではなく、自分自身の問題を解決したいと思っている子がほとんどです。

成績不振の原因は授業の質などではなく、自分自身にあるということがわかっていそれを解決するために個人塾のサポートを望んでいるわけです

ここにニーズがあると分かれば個人塾が高校生にすべきことはおのずと決まってきます。

個人塾が高校生に訴求すべきこと

具体的なサポートの例としては以下のようなことが挙げられます。

  • 生徒のニーズにあった学習計画を立てる
  • 学習に計画的に取り組めるように伴走する
  • 分からないところだけ教える

何をどのように勉強するべきかの戦略は、ネット上にもたくさんあります。

ひとり塾をやろうとする人は大卒がほとんどでしょうから、自分自身の大学受験の経験も参考になるでしょう。

あとは、ネット上の情報と自分自身の経験をもとにしつつ、実際本屋に行って直接教材を手に取ってリサーチし、自塾の生徒にあった教材を選定し、学習計画を立案します。

これだけでもひとり塾の色が出ます。

でも高校生の質問には答えられる自信がないんだよな

質問に即答できなくても、少し時間をもらって調べれば大丈夫です。

高校の学習を全くやったことがない人は厳しいかもしれませんが、塾をやろうとする人ならそちらの方がむしろ少数派でしょう。

自身の苦手教科もあるかもしれませんが、塾の利益を高めるために再度勉強し直すことも必要です。

高校生の中でもターゲットを絞る

ひとことで高校生といっても目標は様々です。

  • 国公立大学を一般受験で目指す子
  • 私立大学や専門学校を公募制推薦で目指す子
  • 指定校推薦で目指す子
  • 帰国子女枠や工業化枠など特別枠で目指す子

本当に様々です。

この中でも、個別の学習サポートが欲しい子もいれば、相談に乗ってほしいだけの子、自習室として使いたい子など、中学以上にニーズは様々です。

これらすべての子のニーズを満たせる塾である必要はありません。自分が自信をもってサービスを提供できるレベルの子にターゲットを絞って訴求するのも大切です。


以上のように、高校生指導ができると塾の収益力も経営の安定性も格段に上がります。

自分が大学受験で苦労した人は特に、高校の指導に自信がないという人もいると思いますが、高校生が塾に求めていることは必ずしもそこではないかもしれません。

いきなり高校生の募集をかけるのに躊躇いがあるのなら、高校受験まで通ってくれた中3だけを対象に高校コースを開設し、高校の指導に慣れていくのもアリだと思います。

もちろん小、中学生に絞って利益を上げられるのなら余計なお世話ですが、もし収益力を改善したいのなら参考にしてみてはいかがでしょうか。

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