近年はAI技術の発達で、教材も進化を遂げています。
「こんなすごい教材使っています!」と言いたくなる気持ちもわかります。
教材アピールは自信のなさの表れ
塾のサイトのトップページは塾の窓口です。
チラシは塾の名刺です。
サイトもチラシも保護者に「うちはこういう塾です!」とアピールするための顔です。
そんな大切なスペースで、あろうことか、他社の教材の解説を延々としているひとり塾。
「当塾採用の教材○○はAIを搭載しお子様の学習の…」
「全国100以上の塾で採用!東大の○○教授も推薦!」
こんな上っ面な文言でだまされるような保護者はいませんよ。
で…その立派な○○とやらの教材を使って、貴塾はどのように成績を上げてくれるんですか?
塾として重要な部分を包み隠して、教材の凄さをアピールしているのは、塾として自信のなさの表れ以外の何物でもありません。
教材アピールは大手の販促戦略
これが大手なら話は別です。絶対的な安心感がありますから。
使う教材をより魅力的に発信できるだけの資金力も販売力もあります。
なんかすごそうな教材だし大手だから安心かも…
これをひとり塾がやれば失敗するのは明確です。
何の知名度も実績もない塾が、教材の素晴らしさを拙い文言で小さなスペースでアピールしても何の説得力もありません。
保護者からすれば、「ふーん」で終わり。
素人と弁護士が法律の話をしたらどちらが説得力がありますか?素人がどれだけ熱弁しても大手の説得力にはかないません。
ひとり塾の販売戦略の肝はそこではないのです。
ひとり塾の個性とは『塾長』そのものです。
塾長の考えに、塾長の人柄に、塾長の指導力に、生徒や保護者は惹かれて口コミが広がり人気の塾になっていくのです。
ここが大手との大きな違いであり、打ち出すべきところです。
教材は「どう使うか」を考える
例えば美容師さんが『うちは有名なハサミ職人が作っている最上級のものを使っています!』と言っていて…
『じゃあ絶対思い通りのスタイルになる!』って思いますか?
思いませんよね。塾も同じです
優秀な○○教材を使っていますよ!政府も認めていてたくさんの塾が採用しています!
なんて言っても
そうですか、そんなことより成績は上がるの?
で終わりです。
「教材をどのように自塾の指導システムに組み込んで、その特性を生かして成績を上げるか」
「塾長がどう指導システムに関わっていくか」
これを考えましょう。
ちなみに自塾で採用している教材を2つ紹介します。
同じ教材を使う塾が近くにできたら…
教材だけに頼って塾を経営してしまうと、同じ教材を扱う大手塾が近くにできたときに詰んでしまいます。
教材に限らず、モノは大量に発注するほど安く買うことができます。
自塾の金額よりも安く提供されてしまう。
設備も情報も自塾よりも充実している。
これだけで相当不利な戦いが強いられます。
教材をどのように使って、成績を上げて実績をつくるか。
ひとり塾の戦いはまさにここにあるのです。
使う教材が塾の実績を作るなんて考えは捨てましょう。
流行っている個性的な塾の例
- テスト週間から毎日5時間の塾での勉強を強制する
- パソコンの教材を使って家でやった内容をすべてモニタリングし、授業で解説する
- 授業時間を撤廃し、できるようになったかどうかで授業の終わりを決める
- 毎日自習に来ることを義務とする
知っている塾の例を上げてみました。
これこそ、サイトやチラシで全面的に押し出す部分です。これが塾の指導の個性です。
教材はあくまで要素であり、塾の個性を形成するものではありません。教材をどのように使って塾の個性を作るのかを考えましょう。