私は自塾を始める前にいくつかの個別指導塾でアルバイトをしていました。
授業に活気があり絶えず問い合わせがあるような塾もあれば、生徒数も少なく閑散としていた塾もありました。
フランチャイズの塾なら基本的にどこも同じカリキュラム。
多少の立地の差こそあれ、なぜ集客力に大きな差が生まれてしまうのか。
アルバイト歴7年ほど、いろいろな教室責任者を見てきて集客力のない塾長には共通点があることに気づきました。
集客力は面談に出る
塾長の集客力は最初の面談に出ます。
興味を持って問い合わせをしてくれた保護者に対していかに自信をもって自塾をアピールできるか、「この人になら任せられる」と思ってもらえるかが、その後入塾してもらえるかどうかを決める一つの材料になります。
逆に相手に不安感を与えてしまうような面談をしていれば、体験に至る前にマイナスイメージを与えてしまいます。
最初のマイナスを取り返すのは大変です。
人付き合いってそうですよね。この人はなんか嫌い、と思ったらそこから短期で好印象をもつことは稀です。
出会ってから入塾までの期間はそれほど長くないですから、そこでマイナスなイメージを持たれれば、入塾には至りません。
不安感を与えてしまうような面談には特徴があります。
集客力のない塾長の特徴
声が小さく早口
仮にも子供に接して勉強を教える職業です。そんな塾講師が声が小さく早口なんて論外です。
特にひとり塾では保護者は塾長に全てを任せるつもりで来ています。
なのにも関わらず早口で何を言っているのかわからない。声が小さく聞き取れないというのは不安でしかありません。
大きな声とまでは言いませんが、ハキハキと堂々と話す様が相手に信頼感を与えます。
凄腕の教室長はハキハキ堂々と、抑揚をつけて相手に語り掛けるように話していました。
なぜかそれだけで説得力が生まれるんです。不思議ですね。
目線が泳いで定まらない
ある教室責任者と話をしていた時、気づいたことがありました。
それは目線の大切さです。
大切なことは相手の目を見て話す。
適度に目線を外して相手に考える余地を与える。
本当に細かいことですが、意外と意識しないとできない人も多いようです。
しっかりと目を見て話すというのは相手に安心感を与えます。
目線が定まらず泳いできょろきょろしていると自信のなさが見えてしまいますから、保護者に不安感を与えてしまいかねません。
語尾が聞き取りにくい
言っていることはまとも。抑揚もつけて堂々としゃべっている。
それなのに、最後の最後、語尾が聞き取れないだけで、自信のない感じが出てしまいます。
私も気を付けているのですが、知識として自信がないことを無理に答えようとするとそうなる傾向があります。
分からないことがあれば「すみません、分からないのであとでお調べしてお伝えします!」と言ってしまった方が逆に信頼を得ることができます。
終わり良ければすべてよし、ではないですが、語尾までしっかりと意識して話すことが大切です。
表情が乏しい
初めて塾に来る保護者や生徒はただでさえ緊張しています。
その緊張をほぐして、塾、そして自分自身をしっかりとアピールし成約につなげていかなければなりません。
相手の緊張をほぐすために大切なのはまず笑顔です。
知らないお店に入った際、店員が笑顔でいらっしゃいませと言ってくれるだけでも好感をもちませんか?
逆もまた然りで、表情が乏しく、笑顔がない人には好感を持てません。
好感が持てない塾長に、我が子を任せたいと思う保護者もいません。
自信あふれる塾長に安心感を抱く
保護者が塾を決めるとき、学習内容もそうですが、それ以上に『この先生ならうちの子を任せられる』という安心感が大きな決め手になります。
自塾の指導に自信を持っていなければ、相手に安心感など与えられるわけがありません。
開業したてでまだ実績もないから、まだ自信もないんだよな~
自信がなくても安心感を与えられるような会話の仕方を心がけましょう。
安心感のある状態から成績が上がればそれが強い信頼感につながっていくわけです。
保護者の前ではハキハキと堂々と、自信みなぎる様子でいるべきです。
塾はあくまでサービス業
塾は、サービスを受ける人(生徒)と対価を払う人(保護者)が異なる、少々特殊な業態です。
サービスを受けるだけの子供と接する機会の方が圧倒的に長いので、サービス事業者としての自覚が希薄になりがちです。
確かに金払ってるんだからしっかり教えてよ!っていう子供は普通はいないからな~
しかし、あくまでも塾はサービス業だということは意識しておくべきだと私は考えます。
成績をあげていれば人間性なんて関係ない、と大切な子供を預ける親が思うでしょうか。
子供と接する以上人間性も大切です。
人間性は努力である程度作ることが可能なので先に紹介した例を反面教師にして、地域の保護者からの信頼を勝ち得る講師になりましょう。