自塾では現在チラシを作ってはいませんが、開業6年くらいまではチラシを作成し新聞折込で配っていました。
どうやれば自塾の良さを最大限アピールできるか。
そのことばかりを考えて作っていました。
しかし、今になって思えば、相当独りよがりなアピールだったと反省しています。
独りよがりな宣伝、キャッチコピーとは
独りよがりな宣伝、キャッチコピーとは具体的にどのようなものなのか。
それは、自保護者や生徒が塾に通うことでどのような効果があるのかを訴求できていない宣伝、キャッチコピーです。
要は、保護者生徒目線ではなく、塾の目線でしかアピールできていないということ。
私が思う例を挙げます。なお、特定の塾を指すものではありませんので悪しからず。
① 東大卒元数学教師による質の高い授業が受けられます!
確かに東大卒の元数学教師ってすごいですよね。
でも保護者が求めているのは、そこではないのです。
保護者が求めているのは、我が子の成績が上がって志望校に合格できるかどうか。それがこの塾で達成できるかどうかです。
保護者はバカではありません。
東大卒と聞いて「東大なんだからうちの子の成績も上がる!」などと思わないですよ。
これは東大卒とアピールすれば集客になるだろうという独りよがりな塾の考え方です。
②最新AIを導入した最新教育システムでお子様の学習をサポートします!
これも先述した例と同様です。
システムのすごさなんて保護者はどうでもいいんです。
そのシステムをどのように使用して、我が子の成績を上げて志望校に合格できるかが重要なのです。
「最新の」「他の塾にはないシステム」「○○賞を受賞したICT教材」
どれもこれも保護者や生徒のことを考えていない独りよがりなアピールです。
自塾の失敗例
開業年から3年間のチラシのデータを久しぶりに確認してみました。
まあ、これでは問い合わせは来ないわ(笑)って感じでした。
載せるのも恥ずかしいですが、これから塾を始める方やチラシをまく方に少しでも参考になれば私の失敗も報われます。
○○塾 新規開校
チラシの一番目立つところに大きく載せていましたね。
しかし、よく考えれば保護者にとって新規開校したかどうかなんてどうでもいいですよね。
『全国的に知られている知名度のある学習塾が、いよいよこの地域に新規開校します!』
だったら分かります。
でもどこの馬の骨か分からないような人間が作った塾が新規開校しようが、開校して1年たっていようがどうでもいいんです。
重要なキャッチコピーをこんなどうでもいいことに使ってしまったのは大反省です。
○○塾は学習習慣のないお子様が自力で成績アップできるようになる学習塾です!
塾のコンセプトを説明するのは決して悪いことではありません。
しかし必要なのはそれを実現するための具体的な取り組みです。
これを見た保護者は思います。「どうやって?」と。
例えば皆さんも「2週間で20キロ痩せることができる奇跡のパーソナルジムです!」とチラシに書いてあれば同じことを思いますよね。
その先に具体的な取り組みがなければ、ただ耳障りの言いことを言っているだけだと思われてしまいます。
塾のコンセプト説明よりも具体的な取り組みのほうをアピールした方が保護者には伝わりやすいです。
「毎日塾で義務自習!家での宿題もパソコン教材で管理!独学できる子を育てる塾です」
こちらの方がより具体的で分かりやすいですよね。
とにかく抽象的な表現だけでなく、具体的な取り組みを示すことが重要です。
最新学習システムを採用しています!
いい教材を使っていれば保護者にアピールできると思ったら大間違いです。
保護者にとっては使っている教材などなんでもいいんです。
我が子が勉強できるようになり、志望校に合格してくれれば、なんだっていいのですから。
教材のアピールは塾のアピールにはなりません。
使う教材など一切アピールする必要はありません。
そんなことにスペースを使うなら塾長の趣味でも載せていた方がはるかにましです。
勉強のやり方教えます!
正しいやり方で勉強することは、確かに成績を上げるために重要です。
しかし、多くの保護者は「うちの子は勉強のやり方を教われば成績が上がる」なんて思っていません。
特に平均以下の学力層の場合、家で勉強しないとか、宿題をやらないとか、勉強に向かう姿勢に不安を抱いているご家庭がほとんどです。
こういう子たちが勉強のやり方を教わったところで、それをすぐに実践することなどできません。
そんなことは近くで見ている保護者が一番よくわかっています。
だから『勉強のやり方教えます!』など見ても響かないのです。
大事なのは勉強に向かう姿勢を改善するための具体的な取り組みです。
立派な社会人になってもらうために…
立派な社会人とか、社会で通用する人材とか、大人になってからのメリットを書き連ねても仕方ありません。
保護者は、今この瞬間の子供の学習に悩んでいるわけです。
次のテストの成績を上げて数年後の受験に合格してもらいたいと願っているわけです。
大人になってからのことなど考えていません。
はっきり言って余計なお世話。
最終的にそういう大人になってもらいたい、という想いがあるのは結構なことですが、宣伝やキャッチコピーに書くようなことではありません。
売れている個人塾のキャッチコピーの特徴
『これが売れている塾のキャッチコピーだ!』というのがあれば苦労しないんですよね。
そもそもキャッチコピーなんてものは、たまたまホームページを訪れてくれた新規客にアピールするためのものなので、実績と口コミが形成されればあまり重要ではなくなります。
外観ボロボロでホームページがないラーメン屋でも、味が良ければ口コミで人気店になりますから。
正直パッとしないホームページでも生徒が集まっている塾もたくさんあります。
ですから、これという答えはありません。
それでも、私が数多くの塾のホームページやSNSを見てきた経験から言うなら、個人塾では以下の3点が重要だと感じました。
- 塾長の熱意や想いがわかる
- 具体的な取り組みを示す
- 塾に通うメリットがイメージしやすい
この塾長なら子供を任せられそう!と思ってもらうためには、塾長の熱意や想いをしっかりと届ける必要があります。
使う教材のアピールなどどうでもいいので、そこをしっかりと伝えるようにしましょう。
また。漠然とした抽象的な表現ではなく、具体的な取り組みを示すほうが保護者にとって分かりやすいです。
勉強のやり方とか、学ぶ力とか、イメージしにくい文言ではなく、毎日塾で義務自習、家での学習はZOOMで管理、できるまで帰れない、などのほうが分かりやすいですよね。
こういった具体的な文言によって、保護者が子供を塾に通わせるメリットをイメージしやすくなります。
子供が家で勉強しないことに悩んでいる保護者なら、毎日塾で自習が義務というのは明らかにメリットです。
毎日塾に行って勉強する子供をイメージしやすいですよね。
このように、常に保護者生徒目線で塾をアピールすることを心がければ、自然と独りよがりな宣伝ではなくなるはずです。参考までに。