開業準備における注意点と心構え

心構え

開業準備をしている時期は、塾への理想が最も高い一方で、準備に猛進して視野が狭くなりがちです。

ひとりで塾を開業しようとしている人はなおさらです。

私もそうでしたから、今となってはよくわかります。

開業後になって後悔することのないよう、自身の経験も踏まえ開業準備における注意点と心構えをまとめます。

開業準備でやってしまいがちなこと

開業準備の段階で陥りがちなことが2つあります。

金銭的な余裕がなく、支出を抑えようとしがち

無駄遣いを抑える努力は当然必要ですが、本来投資をするべきところもケチってしまえば、塾の学習環境を損ねることになりかねません。

②当初の理念で物品を作ってしまう。

旅行も準備しているときが一番楽しいって言ったりしますよね。

開業準備も大変ですが、自分の理想の塾が出来上がっていく過程は非常に楽しく舞い上がりがちです。

掲げた理念や指導方針を前面に打ち出すことは重要ですが、修正の利かないものに残すことはおすすめしません。

これらを踏まえて開業準備を置ける注意点をまとめます。

開業準備における注意点

看板の内容

個人塾には、指導に対する溢れる想いや強い信念があります。

その想いを保護者に知ってもらうべく、塾の看板や窓に張るカッティングシートで大々的にアピールする。

もちろんそれ自体悪いことではありません。

ただ、私は看板には塾名と電話番号だけ記載することをおすすめします。

なぜなら、指導理念や方針、指導方法などは今後変わる可能性があるからです。

私自身10年やってきて、開業当初と今の指導に対する向き合い方は大きく変わっています。

当然です。

何も知らない初心者と何年も仕事をしてきた玄人が、同じ信念で仕事をしているわけがありません。

看板に下手に記載をしてしまえば数年後に修正が必要になってしまうかもしれません。

それなら最初から最低限の情報だけを載せておいた方が無難です。

そもそも今の時代看板に長々と書いた言葉をいちいち立ち止まって読んでくれることなどありません。

通りすがりの保護者
通りすがりの保護者

へぇ~こんなところに塾ができたんだ…

せいぜいこの程度です。

看板の目的は、塾の存在を認知してもらうためです。

指導に関する細かいことはホームページに記載しておけば十分です。

机とイスの質

集中して勉強する上で重要なのは机といすのクオリティです。

長時間座っていても疲れない、余計なストレスなく使用できるものをしっかりと選定しなければなりません。

  • 座面がビニールでペラペラのパイプ椅子
  • 消しゴムをちょっと強めに使うだけで揺れるような机
  • 隣の人の動きがダイレクトに伝わるような長机

こういったものは長時間の学習には向いていません。

そもそも塾における机やいすというのは学習環境のクオリティーに直結します。

塾として絶対にケチってはいけないところです。

近隣テナントへの挨拶

塾の準備に必死になって忘れがちですが、近隣テナントへの挨拶はしておきましょう。

塾は意外と近隣のクレームを受けやすい業種です。

決まった時間に授業が終わり、一気に送迎があると、近隣の交通に影響を及ぼす可能性があります。

駐輪場が共用だと、塾生の自転車でいっぱいになってしまう可能性もあります。

子供同士の騒がしい声で近隣テナントの営業を妨害してしまう可能性もあります。

仮にそういった状況になったとしても、事前に挨拶をしてお互いに顔を合わせていれば、強いクレームにはつながりにくいです。

また、最近は子供の粗相を直接注意する大人は稀です。

ではその矛先はどこに向くのかのというと学校や塾などといった場所になるわけです。

実際私も保護者の送迎における交通ルール違反について電話でお叱りを受けました。

どんな形で迷惑をかけるか分からないので、迷ったら近隣の全テナントに菓子折りをもって挨拶をしておきましょう。

準備の合間に伺えば対して手間もかかりませんから。最初が肝心です。

開業準備における心構え

安物買いの銭失いにならないように

安物買いの銭失い、という言葉があるように、適切な投資をしなければ、長い目でみて損をする可能性が高いです。

  • 生徒が使う机やいす
  • エアコン
  • 塾長の使うパソコン
  • コピー機

これらは塾の運営、売り上げに直結するものです。

ケチらずしっかりと投資をしましょう。

コピー機については、塾の形態にもよりますが大きな複合機は不要です。

他塾も見てきているものと思え

保護者が、あなたの塾だけをピンポイントで狙い撃ちにしていることはありません。

開業初期はなおさらです。

保護者の手元にはいろいろな塾のチラシが届きます。

保護者間のネットワークでいろいろな塾の情報が飛び交います。

自塾もいろいろな塾を見ている中の1つの選択肢にすぎないと考えなければなりません。

その中には資金が潤沢な大手塾も含まれます。

広い机や座り心地のいい椅子、快適な空調、クッション性のあるスリッパ、清潔なトイレ。

それらを体験してきた保護者や生徒が自塾に来た時に…

お尻が痛くなる硬い椅子、肌寒いあるいは蒸し暑い空気、ペタペタのスリッパ、汚いトイレ。

この時点で相当不利な戦いになります。

口コミもない、誰も知らないぽっと出の塾が戦うにはあまりにも厳しい状況です。

初めて会う異性に清潔感がなかったら、その時点でマイナスですよね。この先、一緒にいたいと思うでしょうか。

資金が限られていようとも、勉強する場所として良質な環境を提供することだけは怠らないようにしましょう。

営業は全部断る

開業初期は、どこから情報を仕入れたのか(たぶん固定電話の情報をいち早くつかんでいるのでしょうが)営業の電話がこれでもかとかかってきます。

安い電気代がどうとか

SEO対策で上位表示がどうとか

魅力的に聞こえるような提案をしてくるでしょう。

でも迷う必要はありません。全部断って下さい。

開業初期で資金に限りがある状態でやるべきことは、多少経費が浮くサービスに切り替えることや、有料販促を依頼することではありません。

そもそも何の実績もない個人塾に、多少お金を払うだけで問い合わせが増えることは残念ながらありません。

ほぼ確実に無駄金になります。

そんなところに時間とお金をかけず、目の前の生徒の成績を上げることに集中しましょう。

安定的な問い合わせは実績が出て口コミが広がるまではありませんから。

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