優良顧客を増やすためにやっている施策と捨てた施策

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塾にとっての優良顧客とは

優良顧客とは、成績がいい生徒の保護者、と言うことではありません。

塾の理念を理解して長く通っていただける顧客が塾にとっての優良顧客です。

もちろん来てくれた生徒の成績を上げることで、塾の力で保護者を優良顧客にする、という努力は必要不可決です。

これは間違いありません。

一方で、優良顧客の割合を増やすために、そうでない保護者や生徒の受け入れを極力減らすことも必要です。

一人で塾を経営して生活していくのですから、理想論や綺麗ごとだけでは続けられません。

優良顧客の割合が増えるほど、優良顧客への紹介にもつながる可能性が高く、塾の長期的な安定につながります。

自塾では、優良顧客の割合を増やすべく行っている施策があります。

同時に、そのために捨てた施策もあります。

皆様の塾運営のヒントになれば幸いです。

優良顧客を増やすための施策

体験授業

自塾では2週間の体験期間を取っています。

長期間とまでは言えないかもしれませんが、少なくとも1回や2回の授業だけで判断することはありません。

特に宿題への取り組みをよく観察し、入塾してからついてこられるか否かを判断します。

自塾は「できない子」でも大いに歓迎しますが、「やらない子」は別という方針で運営しています。

できない子は塾の指導によって成績が上がる可能性は十分ありますが、やらない子にその可能性はありません。

塾に通うことに対する負担を受け入れ、遊びの時間を勉強に使うという、当たり前の意識がなければ通塾など無意味です。

こういった最低限の覚悟がない子は、入塾前にふるいにかけて落とすべきだと考えています。

成績が上がらない「やらない子」をずっと通塾させることは、別の優良顧客を逃すことにつながりますから。

厳しい指導方針

成績が上がらない子のほとんどは自分に甘い子です。

宿題の答えを写すのは当たり前。分からなくても聞かない。すぐにスマホに手が伸びる。

こんな状態が当たり前になっています。

しかし、当然塾で成績を上げるとなれば、こういった甘い考えやそれに起因する行動はすべて改善させなければなりません。

自分に甘い子に対して、甘い指導をしたところでそれらが改善されるわけがありません。

厳しい指導方針や塾のルールの下で、勉強に向かわせなければ成績など上がりようがありません。

厳しいルールを設けふるいとして機能させ、ついてくるつもりのない子(ついてこられない子、ではない)には退塾を勧めます。

空いた枠に頑張りたいという覚悟を持った子が来てくれれば、その方が双方にとってプラスです。

いや、俺は褒めて伸ばす!

勉強できない子をほめて伸ばすのって、厳しくする以上に難しいですよ。褒めが下手だと単なる甘やかしになりますから。

保護者へのこまめな定期連絡

先述したように、優良顧客に入塾してもらうことも重要ですが、それ以上に入塾してくれた保護者を優良顧客にすることも重要です。

そのために必要なことは、保護者に子供の現状を正しく認識してもらうことです。

そのための施策として、保護者に生徒の学習状況についてこまめに連絡をするようにしています。

そもそも、保護者に優良顧客になってもらうために必要な過程とは…。

  1. 子供の現状を正しく認識してもらう
  2. 通塾で問題点が改善されているのかを逐次報告する
  3. 問題点が改善されたことでテストの点数が上がったことをアピールする。

現状認識から、改善点の指摘、その改善過程までを保護者が把握していることで、結果が出たときの通塾効果を最大限にアピールできます。

でも、テストの点数が上がれば通塾効果はアピールできるんだから、その過程の報告は別に要らなくない?

過程を保護者に知ってもらうべき理由は2つあります。

1つはクレームの防止です。

クレームを防止するために必要なことは、成績が上がらない原因と、その改善のために塾が最大限動いていることを保護者にしっかりと把握してもらうことです。

過程をこまめに定期連絡をすることでこの状況を作ることができます。

もう1つは、保護者に口コミを広げてもらいやすくするためです。

なんで成績が上がったのか分からない状況と、成績が上がった理由が論理的に説明できる状況。

どちらが他人に薦めやすいでしょうか。

もちろん後者ですよね。

同じ悩みを持つ保護者がいれば共感を生みやすいので、通塾の効果をよりアピールできます。

優良顧客を得るために捨てた施策

無料体験

無料体験とは、申し込みのハードルを下げるために大手塾で実施されてきた施策ですが、ハードルを下げるということは、どんな人でも簡単に飛び越えられるということです。

子供の成績をあげるべく覚悟をもって問い合わせ下さる保護者がいる一方で、無料だから一度行ってみるかと軽い気持ちで問い合わせる保護者も増えます。

保護者が軽い気持ちでいるのに生徒が覚悟をもっているケースというのは、稀です。

少なくとも私は10年やっていてこのケースは思いだせません

軽い気持ちでいってみる?と親に提案された子供も、もちろん軽い気持ちで塾に来ます。

先述したような通塾に対する覚悟など皆無です。

そういった子に塾でたった1馬力しかないマンパワーを無料で使って結局入塾しない、ということになるであろうことは容易に想像がつきます。

体験を有料にすることで、本当に自塾に興味をもっていて通塾の覚悟のある人だけを相手にすることができます。

でもさ~気軽にでもいいから最初は知ってもらう方が大切じゃない?

実は自塾も開業当初は無料で実施していたので、これを開業直後にやって果たして問い合わせがあるのかどうかというのは分かりません。

開業初期は、まずは知ってもらい、気軽にでも塾に来てもらい、覚悟のない子の成績を上げることで口コミにつながるわけです。

ここで指導力のない塾がふるいにかけられます。

5年くらいやって生徒数が安定してきたら考えてみてはいかがでしょうか。

友人紹介特典

『友達を紹介してその生徒が入塾したら図書券1000円分プレゼント!』

『紹介してくれた方に1月分授業料半額、紹介で入塾してくれた方には入塾金無料!』

こういった友人紹介特典は、大手の個別指導塾のチラシやホームぺージで頻繁に見ます。

たくさんのアルバイト講師で多くの生徒を指導するスタイルの大手塾では、合理的な集客手法のかもしれません。

とにかく人数を確保したいわけですから。

一方で、少人数高単価で、優良顧客獲得を目指すひとり塾では逆効果になりかねません。

安いから、特典があるから、といった動機の保護者にとっては、塾の指導理念や方針など大して関心などありません。

お得に塾に入れて子供の成績が上がるならあとはなんでもいいわ!

いったんは入塾してもらえたとしても、その後認識の齟齬が生じる可能性が高いです。

講習?オプション?そんなの受講しませんよ

紹介というのは自然発生的に生じてこそ価値があります。

恣意的な紹介の誘導は短期的に利益をもたらしても、長期的に見れば逆効果の可能性もあるのです。

ニッチ領域の生徒の受け入れ

紹介は、同じ境遇、同じ悩みをもつからこそ説得力が生まれます。

しかし、そもそも母数が少なければ紹介をもらえる可能性が極端に下がります。

それがニッチな領域です。

例えば不登校の生徒や学習障害を持っている生徒は学年全体で見れば数人程度です。

不登校1クラス2人いたとしても学年16人程度ですから。紹介につながる可能性は低いでしょう。

もちろんニッチ領域のコミュニティーで評判になれば紹介につながる可能性もありますが、その分塾のマネジメントが難しくなります。

確かに不登校だと定期テストも受けない子もいるだろうから、塾の実績作りが難しそうだな…

今は、ニッチ領域専門の塾もあります。

自塾では生徒が(保護者ではない)よほど前向きに通塾を検討していない限り、専門性の高い塾への通塾をおすすめしています。

その方が双方にとって良い結果をもたらす気がしますから。

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