自塾では、生徒の成績で入塾を判断することはありません。
入塾時にどれだけ成績が低かろうが、入塾後の努力次第で成績が上がる可能性はあるからです。
一方で、学年下位層・底辺層の子は、平均層の子と比べれば上がりにくいのも事実です。
自塾では、初期面談において、学年下位層、底辺層の子に伝えることがあります。
成績下位層ほど成績が上がりづらい理由
成績下位層と言われても漠然としているのでここで定義づけしておきます。
下位層を学年下位20%以下、その中でも底辺層を学年下位10%以下としています。
成績下位・底辺層の子はそもそも成績を上げにくいのです。
理由は2つあります。
復習すべき範囲が広い。明確でない。
この層の子には、例えば中1まで好成績だったけど、中2でさぼって一気に下がってしまった、というような『いつから成績が下がったのかが明確な子』は意外と少ないのです。
むしろ、小学生のころからずっと勉強できない状態を放置し、ずるずると今に至るような『いつから勉強ができなくなったのか分からない子』がほとんどです。
特に数学や英語のような積み上げ教科では、結局小学生から戻って1から全部復習しないといけないケースがあります。
普段の学校の授業はどんどん進んでいく中で、復習もしなければならないわけです。
借金1000万ある状態で毎月5万ずつ返しながら、毎月10万ずつ借金しているような感じです。
地獄だ…完済はいつになるんだよ…
勉強に対する体力もなく、意識も希薄
成績を上げるにはそれなりの勉強時間を確保しなければなりません。
しかし、勉強してきてない子はそもそも勉強の体力がありません。
今までほぼ勉強時間ゼロの子に、今日から1日3時間やろう!なんて言っても無理なんです。
きっと30分もすればすぐにスマホに手を伸ばすか、横になってそのまま寝てしまうかでしょう。
さらに勉強に対する意識も希薄です。
宿題?そんなの答え写せばいいでしょ!テスト勉強?直前に一気にやれば間に合うよ!
理解?何それ?
冗談ではなく、底辺層はほとんどこんな感じです。
このような状態の子にいくら解説をして分かりやすく説明しても、砂漠に一滴の水を垂らすようなものです。
意識を変えるには時間がかかります。言ってすぐ改善できるようなものではないのです。
成績下位層の生徒・保護者に伝えること
以上を踏まえ、自塾では成績下位層、底辺層の子の面談であらかじめ伝えておくことがあります。
成績が上がるのには時間がかかる
復習すべきことが大量にある一方で、子供には長時間勉強に耐えられる体力も集中力もなく、取り組みへの意識も低いとなれば、成績をあげるのに時間がかかるのは当然です。
しかし、塾側の当たり前を保護者が当たり前だと思っているとは限りません。
保護者には一定数「塾に行かせればすぐに成績が上がる」と思っている人がいます。
入塾して2ヶ月後の最初のテストで点数が上がらず『塾に行かせたのに点数が上がってない!どういうこと!」とクレームを入れてくる可能性があるわけです。
実際アルバイト時代にこういう保護者を何人か見ました。
そのため、事前の面談で、成績が上がるのには時間がかかるということをはっきりと伝えます。
今の成績と普段の学習状況を考えると、成績を上げるには時間を要する可能性が高いです。まずは復習に時間をかけながら、勉強時間を確保し、習慣化することからです。
○○くんの頑張りにもよりますが、年単位は覚悟してください。
これでもしキャンセルになったとしても、のちのリスクを回避できたと思って切り替えましょう。
塾でだけ頑張っても成績は上がらない
下位層、底辺層の子は週1日、2日程度塾に来るだけで成績が上がるようなレベルではありません。
残りの週5,6日にどれだけ家で取り組めるかが非常に重要です。
我々にとっては当たり前のことですが、これも生徒にとっては当たり前ではないわけです。
成績下位層ほど家での勉強の習慣がないので、塾だけで頑張ればいいと勘違いして家での学習を疎かにしがちです。
宿題をずっと放置した挙句塾に来る直前に答えを写すなんてことを平気でする子もいるわけです。
家で取り組みは保護者の協力も必要になる可能性も視野に入れる必要があります。ちゃんと取り組んでいるかチェックくらいはしてもらわなければいけないかもしれません。
宿題をやれないと復習が疎かになり定着せず、いつまでも成績は上がりません。ちゃんとやれているかのチェックは保護者様にもご協力頂くかもしれません。もし家でやれないのでしたら自習に来るなどしてください。
家でのチェックは渋るのに、塾には授業料をケチって週1日しか来ない、なんて保護者もいます。
家で宿題をまともにやれないのに、塾に自習はきたくない、なんて子もいます。
中途半端な覚悟では成績など絶対に上がらないということを生徒にも保護者にも理解してもらいます。
インパクトが大きいほど口コミは広がりやすい
成績下位層・底辺層は、成績を上げるのは大変ですが、その分上げた時のインパクトも大きいです。
うちの子がまさかこんな点数をとれるなんて…!!
下位層、底辺層は保護者の期待値がそれほど高くありません。
そこから成績を上げられると保護者に与えるインパクトは通常よりも大きくなります。
インパクトの大きな情報は口コミとして広まりやすいです。
自分が効果を実感していればおすすめしやすいですからね。
生き残る塾は結局…
長い間生き残っている塾は結局、成績下位層・底辺層の成績を上げられる実力のある塾です。
できない子をできるようにし続けてきたからこそ、大きなインパクトを生み出し、安定して口コミを得られるわけです。
そこから優秀層も少しずつ増えていき、塾としての実績も上がり、さらに口コミが広まるという好循環を生み出しているわけです。
『下位層・底辺層の成績を上げずして塾の繁栄はない!』
この心構えで生徒に向き合っていきたいですね。