問い合わせがあって即契約、となる塾はほとんどないと思います。
まずは最初に塾長と保護者、生徒で面談をしますよね。もちろん顔合わせ的な意味合いもあると思いますし、保護者としては塾の指導について詳しく聞くことが目的だと思います。
では塾にとって最初の面談の目的とは何でしょうか。
そりゃ塾の魅力をアピールすることだよ!
もちろんそれも大切なことですが、実はそれ以上に重要な目的があります。
面談を行う目的
面談を行う目的は、保護者、生徒の悩みを把握し、塾に何を求めているのかを明確にすることです。
塾に求めることなんてとにかく成績をあげることでしょ?聞くまでもないよ
『最終的に成績が上がれば文句はないだろう』という考えは非常に傲慢です。
塾はあくまでサービス業。
結果が出るまでの期間に塾はしっかりと生徒や保護者のニーズに応えていく必要があります。
そのために必要な質問は2つ。
- 今どのような悩みがあって塾を検討されていますか?
- 塾(塾長)にどのようなことを求めますか?
まずは現状の悩みをしっかりとヒアリングすること。
これを深堀すれば、なぜ成績が上がらないかの本質的な原因が見えてきます。
そして塾に何を求めるのか。
塾にこういうサポートをしてほしいとか、お子様がこういうところを直せるようにしてほしいなど、何かご要望はございますか?
私はこのように聞くようにしています。
・うちの子は家でずっとスマホいじっているので、塾で毎日勉強できるようになるとうれしいのですが…
・テキストを適当にやってしまうので、丁寧にやれるようになってほしいです…
・質問するのが苦手なので、積極的に聞けるようになってほしいです…
ここが保護者のニーズです。
これが改善されている限り、たとえ結果が出るまで時間がかかっても塾に通う意味をアピールすることができ、退塾を防ぐことにつながります。
面談で聞くべきこと
保護者や生徒のニーズを聞き出すことが面談の大切や役割の一つですが、さらにもう一つ大きな役割があります。
それは生徒の問題点を明確にすることです。
その問題点を塾でどのようにサポートし改善していくかを提案できるとスムーズに体験や入塾につなげることができます。
家での学習状況
- 平日は何時に帰宅しどのように過ごしているか。
- 土日にどれくらいの時間を勉強に充てているか。
- 家のどこで勉強しているか。
これらをしっかりとヒアリングすることで、子供の学習に対する意識や姿勢が明確になります。
その状況に応じて通塾回数を提案したり、自習活用を勧めたりと、より具体的に提案することができます。
自由な時間を持て余しているようなので、この時間塾に来て勉強できれば、かなりの勉強量は確保できそうですね!
分からない問題が出てきた時の対応
- 家で勉強していてわからない問題が出ていた時にどうするか。
- 塾の先生に質問しているか。
わからない問題が出てきた時の解決法をしっかりと伝えてくれる子は、問題解決意識が高いです。
一方で、以下のように答える子は要注意です。
自分で調べるか友達に聞く。
そもそも分からない問題とは、解説を読んでも調べても理解できなかった問題ということです。わからない問題の解決策が『調べる』というのは、そもそも勉強への意識がないということです。
さらに友達に聞くというのは、質問することをストレスに感じているということです。
親や学校の先生、塾の先生に質問することを避けているわけですから。
こういう子は問題解決能力が低く、独力での学習に限界がある可能性が高いです。
当塾では自習でも最後に必ずチェックをするので分からないままにしてしまうことはありません。
スマホの管理状況
- 勉強中にスマホをどこに置いているか。
- 1日にどれくらい使用しているか。
スマホの管理は、今の学生にとっては合否を分けるといっても過言ではないほど重要です。
スマホを勉強中にすぐ手に取れるところに置いているなんて論外です。家での学習のように監視の目のない環境ならなおさらです。
また、1日の使用時間も子供の学習状況を見る大きなヒントになります。
1日に5時間も6時間も使っているようなら、それはもはや勉強のやり方の問題じゃありませんから。
当塾はスマホは使用禁止ですから、勉強に集中できますよ!
子供の覚悟
塾に通うということは勉強時間を増やすことですが、その覚悟が全くない子もいます。
覚悟もなく、何となく塾に通っていれば成績が上がる、と勘違いしている子は、当然成績が上がりにくいです。
そのような勘違いをさせないためにも、面談の段階で子供に覚悟をさせておくべきだと私は思います。
もし塾に通うとしたら、家でやることも結構たくさんあるんだけど、どれくらいなら今より勉強時間をふやせそうかな?
面談で言ってはいけないこと
ズバリ、塾生の情報です。
会話が盛り上がって、ついつい塾生の名前など、口を滑らせてしまわないように注意が必要です。
理由は2つあります。
まず、個人情報に対する意識が低いと、個人塾として信用されません。
個人情報って大げさな…通っている塾くらいで。
大切なのは、個人情報が漏れるかどうかではなく、口が軽い人を信用できるかということです。私が保護者なら、簡単に塾生の情報を言ってしまうような人は信用できませんから。
また、塾生と新規生徒の関係性が分からない状態で安易に名前をいうべきではありません。