受験生の駆け込み入塾。受け入れる?拒否する?

心構え

受験生の駆け込み入塾に対しては各塾対応が分かれると思います。

ひとり塾経営においては、受け入れるべきなのか、それとも丁重にお断りするべきなのか。

駆け込み入塾とは

そもそも駆け込み入塾とは「受験生が受験対策のためだけに受験直前に入塾すること」をいいます。

受験直前とは具体的にいつなのか、各塾判断が分かれるところかもしれません。

私は、夏休み後の受験生の問い合わせはすべて駆け込みと判断します。

入塾は入塾なんだから、売上が上がって嬉しいじゃん!

売上面だけで見ればそうかもしれませんが、駆け込みで来る塾生の指導は簡単ではありません。

駆け込み入塾生の指導の難しさ

そもそも駆け込みで来るということは、成績が合格水準に届いていないケースがほとんどです。

つまり駆け込みの塾生は低学力の子が多いということです。

こういう子の成績を、夏休み後の9月から2月の受験までの5~6ヶ月で上げることが求められているわけです。

半年あればなんとかなるんじゃない?

定期テストのように範囲が限られていればいいのですが、受験は3年分の内容が出題されます。

普段の学校の授業も進んで行く中で復習をしなければなりません。

本人は今まで勉強してこなかった分、勉強に対する忍耐力も集中力も高くありません。

これだけで、いかに駆け込み塾生の成績を上げるのが難しいか分かると思います。

ごくまれに偏差値60超えの子がさらに上の高校を目指して、駆け込みで来ることがありますが、あくまでレアケースです。

それくらい優秀な子ならある程度余裕をもって計画的に行動できる子が多いですから

駆け込み入塾生の塾運営への影響

指導も難しいですが、場合によっては塾運営に対しても影響を与えかねません。

駆け込み入塾生を受け入れるときは、塾に対する保護者の要望をいつも以上にしっかりと確認し、この入塾が駆け込みであるということを保護者に認識してもらわなければなりません。

なぜなら、我々が駆け込み入塾だと思っていても、保護者はそのように認識していないことがあるからです。

半年前から塾に通えば十分でしょ?

本気でこのように考えている保護者がいるということを肝に銘じておくべきです。

もし子供の成績が上がらず、学校の面談で合格が厳しいと言われれば、その責任の矛先を塾に向けてくることがあります。

せっかく塾に入れたのに、成績が上がってないってどういうこと?落ちたらどうしてくれるんですか?

結果不合格になれば、悪い口コミを広められる可能性すらあります。

こういう保護者もいます。そのような親が皆さんの塾に来る可能性も十分あるんです。

駆け込み入塾がはらむ危険性をしっかりと認識し、リスクヘッジしておくことが大切です。

駆け込みに対する対応

駆け込み入塾に対しては、自塾では『募集終了』という形でお断りをさせてもらいます。

自塾は4月の段階で受験生の募集自体を終了するので、それ以降はどのようなケースであっても受験生の入塾はできません。

では仮に席数に余裕がある状態で駆け込みがあったと想定します。

この場合、駆け込みで厳しい状況であることを保護者に重々承知してもらったうえで、割増料金で受け入れます。

とにかくギリギリで普通にやったら合格できない。これからの可処分時間すべてを勉強に使ったとしても間に合うか分からない。

事実はどうあれ、これくらい切羽詰まった状態であることを保護者に認識してもらいます。

要は、『半年あれば間に合うでしょ』という甘い考えを早々に捨ててもらいます。

それを承知してもらった上で、それでも入塾を希望される場合は割増料金を設定して受け入れます。

通常料金の2割~3割くらいを加算します。

拒否するという選択肢はないの?

駆け込みとはいえ入塾を希望する人を拒否することはなかなか難しいです。相手の心証も悪くなりますし、悪い口コミにつながる可能性もあります。

拒否するくらいなら最初から募集停止にしておいた方がいいでしょう。

ひとり塾でフリーの受け入れは要注意

ひとり塾で特に開業初期の喉から手がでるほど生徒が欲しい時期には、たとえ駆け込みでも受け入れたい気持ちが強いでしょう。

しかし、だからと言って何のリスクヘッジもせずフリーで受け入れるのは注意が必要です。

駆け込みで来るということは…

・ギリギリまで通塾のタイミングを遅らせて出費を抑えようとしていて金払いが悪い。

・夏休みまで子供の学習状況を放置しており無関心。

・子供の受験に対して無計画。

このような、成績が上がりにくい子の保護者の特徴に当てはまる可能性が、普段よりも高いともいえます

もちろん全員がそうではありません。ただ普段より可能性が上がっているということです。

こういう人には、他責思考で塾に責任を求めてくるクレーマー気質の人もいるので注意が必要です。

受け入れるなら、保護者にとっても子供にとっても塾にとってもマイナスにならないような仕組みでしっかりとリスクヘッジをしましょう。

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