売上を伸ばすためひとり塾長がもつべき3つの心構え

心構え

売り上げを伸ばせる塾長とそうでない塾長の大きな違いは、塾の運営に対する心構えです。

誰でもできるひとり塾に「能力差」なんてのは大してありません。

大切なのは心構えと経験。売り上げを伸ばせる塾長が持っている3つの心構えを紹介します。

私の経験だけでなく、知り合いの塾長の話も紹介します。やはり流行っている塾の塾長の話は非常に参考になります。

必要なものを自信をもって提案する

保護者に10万、20万の講習を提案することに後ろめたさを感じたりしませんか?

確かに…なんか申し訳ない気分になるな…

私も最初はそうでした。金の亡者とか売り上げが欲しいだけとか思われたくないですよね。それならいっそ安い金額で喜んでもらいたいと思う気持ちもわかります。

しかし、ある塾長が言っていた言葉でハッとさせられました。

  • 「保護者のお財布事情なんて塾が考えるのは極めて傲慢。どれだけ金額がかかろうが、塾は子供の成績を上げるために必要な提案をするだけ。」
  • 「高い料金に後ろめたさを覚えるのはサービスに自信がないから。どんな金額でも受ける価値があるものには保護者はちゃんとお金を出す。」
  • 「金の亡者だとか誰も思わない。良いサービスに金がかかるのは当然。子供の成績が上がれば保護者は喜んでくれるよ。」

なるほど自塾のサービスをお金を払ってまで受けてくれる保護者に申し訳なさを感じるなんて失礼な話ですよね。

生徒にとって必要なサービスを自信をもって提案し、それに見合う対価として責任をもって指導する。

予算を考えるのは我々ではなく保護者ですから。

お財布事情を考える必要はないですが、受講を強要するのは絶対にNG。

聞くところによるとある塾では、何十万の講座の申し込みをその場で決めさせるようです。

私は必ず保護者に考える時間を持ってもらいます。

営業手法的にはよくないのかもしれませんが…。

「これくらいは必要だと私は考えますのでご検討ください。あとは保護者様とお子様で話し合って頂き、最終的にお申込み頂いた内容で最高のパフォーマンスを出せるように最善を尽くします。」

自分の時給への意識をもつ

例えば10人の中学生に対して、テスト前に対策講座を実施するとします。

皆さんはどれを選びますか?

  1. テスト対策講座5教科5時間「塾生全員無料!」
  2. テスト対策講座5教科5時間「1000円でどれだけでも受け放題」
  3. テスト対策講座5教科5時間「1教科1000円!」

もちろん塾の運営方針や塾長の理念によると思います。

それも理解した上で、私ならCを選びます。

開業初期ならBを選んで友達と一緒にきていいよ!というかもしれません。

これらについて仮に10人の生徒全員が全教科受講した場合、時給換算すると…。

  1. 0円
  2. 時給2000円(5時間1万円)
  3. 時給1万円(5時間5万円)

私なら1教科1時間の対策講座で10点~20点はテストの点数を上げられる自信があります。

保護者からすれば10~20点を1000円で買うわけです。

1教科10点上がったら5教科で50点。50点を5000円です。

これを高いと考えるか安いと考えるかは我々ではなく保護者です。

Bの場合、1教科1時間200円です。私は10~20点あげられる私の授業を200円なんて価値で提供することはしません。

Cは、私にとっては論外です。といいつつ、開業初期は無料でやっている時期もありました。

しかし、その時期に無料だから喜ばれるわけではないということもわかりました。

無料だろうが有料だろうが、成績が上がればそれでいいんです。無料にしても成績が上がらなければ保護者にとっては無価値な授業。

現在私はどんな講座を開講するにしても、時給3000円を下回るものは実施しません。

時給意識を持つことは重要ですが、開業後1~2年は例外です。

開業したてで一番重要なのが、とにかく塾を知ってもらうこと。

全く無名のひとり塾を周知するには、やはり「無料」「ワンコイン」といった価格戦略も必要になるかもしれません。

時給など考えずたった数人の生徒のために自分のリソースの100%を割く。

その熱意や想いが生徒や保護者へ伝わり、そして口コミにつながることもあるでしょう。

私自身テスト前の土日に2,3人しか来ないのに8時間くらいあけていましたし…。

時給意識を持つのは、ある程度口コミが広がり、生徒数が安定してきた段階でもいいかもしれません。

生徒は選ぶ

以前こんなことがありました。

受験生が卒業し、生徒数が一気に減った3月。のどから手が出るほど問い合わせが欲しい時期にあるご家庭からお電話が。

「今通っている塾を辞めたので週3回の授業で兄弟を2人とも通わせたい。」と。

大体月6万程度の売り上げです。ぜひ欲しい!

しかし、面談をした段階で素行が気になりました。兄弟でふざけあってまともに話をきかず落ち着きもない。そんな様子を見て保護者も「仕方ないわね~ごめんなさいね」みたいな感じ。

実際体験してもらっても、私語はするわ、頻繁にトイレに立つわ、こそこそスマホをいじるわ、やりたい放題。

さて、皆さんならどうしますか?おそらく雇われ教室長なら入塾させる以外の選択肢はないのかもしれません。

しかしこれを知り合いの塾長に相談したところ、速攻で「入塾NGだと保護者に伝えた方がいい」と言われました。

喉から手が出るほど売り上げが欲しい時期に目の前にぶら下げられた月6万の売り上げでしたが、私も違和感があったので、諦めてNGを伝えました。

「生徒を選ぶなんてひどい塾ですね!」なんてニュアンスのことを言われた覚えがあります。

さて、その後どうなったか。

すぐに4名の入塾が決まりました。

そのお母さんのひとりが「あるお母さんが入塾を断られたと聞いて…ちゃんとしている塾なのではないかと思いまして…」と遠慮気味に。「誰にも言わないでくださいね」とも。

タイミング的にもピンときますよね。

結局6万をあきらめた結果、優秀な子が来て12万売り上げが上がったということになったわけです。

目先の利益に囚われて入塾させてしまっていれば、塾に悪い影響を及ぼすだけでなく、「あの子が通っているならやめとこう」とほかの保護者に敬遠された可能性もありました。

それ以降、私は入塾する生徒を選別しています

傲慢だと思う人もいるかもしれません。

しかし、他の生徒に悪影響を及ぼす可能性がある子を入塾させるのはリスクが高いです。

学習塾は教育業ではなくサービス業だと私は考えています。ほかのお客様に迷惑をかける客がいたら退店を促すのが普通。

そのおかげか、今いる生徒は成績こそ上位から底辺まで幅広くいますが、全員真面目に頑張れる子ばかりです。その方が成績も上がりやすく、よい口コミも広がりやすいです。

売上を伸ばせない塾長のマインド

売れない塾長は、塾での指導を教育ボランティアのように考えているように感じます。

・安い金額で保護者に喜んでもらいたい!

・自分はタダ働きでもいいから生徒に喜んでもらいたい!

・生徒は来るもの拒まず!

この考え自体は否定しません。むしろ素晴らしいと思います。

しかし、これで利益を上げるのは相当難しいです。ボランティア精神と利益は相反しますから。

しっかりと利益を伸ばして自分や自分の家族も幸せにし、生徒の成績も上げて、保護者にも喜んでもらう。

私の塾経営の理想はこれです。

そのために3つの心構えを意識した運営を心がけています。

もちろん、ひとり塾経営だからこそ理想を追い求められます。ボランティア精神でやりたい!利益は二の次!という精神でやるのも否定しません。あくまで一個人の意見として参考までに。

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