ひとり塾では安易にオンラインに手を出してはいけない

心構え

オンライン授業とは

オンライン授業とは、一般的にパソコンやスマホを用いてオンラインで講師と生徒をつなげて、対面せずに授業する形態を指します。

映像授業自体は昔からありますが、特にコロナウイルスの流行期に、対面せずに自宅にいながら授業が受けられるという点がニーズとフィットし、今までオンラインをやっていなかった塾も参入しました。

オンラインをうまく活用できれば、塾の席数を圧迫することなく生徒数が増え、売上もあがるので、ひとり塾にとってメリットが大きいように感じるかもしれません。

塾の生徒が40人、オンラインで20人確保できれば…ひとりでも1000万いけるかも!

しかし、そう簡単ではありません。

私はひとり塾ではオンラインに手を出すべきではないと考えます。

ひとり塾でオンライン授業の運用が難しい理由

オンラインを運用している塾の多くは、オンライン塾として専業でやっているか、人員豊富な大手がコースの一つとしてやっているかのいずれかがほとんどです。

店舗を構えている個人塾で、オンライン授業をやっている塾は、私の知る限りではありません。

もしあれば教えてください!どのように運用しているのか気になるので…。

オンラインを実際運用するとなると、やはり塾長1人ではかなり厳しいです。

塾を開けている日は、塾に来る生徒に授業をしなければなりませんから、当然オンライン授業などする時間はありません。

月~金までは店舗で指導し、店舗休業日の土曜日だけオンラインで授業をする、という形ならできますが…シンプルに休みが無くなりますね。

オンライン授業は単価を高く設定しずらいので、それなら店舗を開けてしまった方が売り上げも上がりそうです。

それなら授業動画を撮影して、それを有料で見てもらう形にすればいいんじゃない?

授業動画を撮影して、それを有料で販売するオンデマンドタイプの授業は、大手が格安でやっています。正直ひとり塾レベルが対抗できるものではないと思います。

割ける人員もなし。休みがなくなり、コスパも悪い、となればやるメリットがあまり考えられません。

それどころか、オンラインに自分のリソースを割いてしまえば、実店舗に通塾する生徒の指導に影響を及ぼしかねません。

これが、ひとり塾でオンライン授業に手を出すべきではない理由です。

ひとり塾でのオンライン活用法

オンライン授業はできなくても、オンラインを生徒の学習に活用することはできます。

オンライン質問対応

分からない問題を事前に送ってもらい、それをオンラインで直接指導する形なら、わずかな時間で対応できるので、実店舗にいる生徒に対する影響も抑えられます。

塾に頻繁に通いづらい遠方に住んでいる子にはいいかもしれません。

一方で、近くに住んでいる子なら塾に自習に来て質問できますし、そもそもテキストやメールでも質問回答はできます。

オンラインで直接指導することにどれだけのニーズがあるかは地域性も関係するので、自塾の地域性を考えた上で検討が必要です。

オンライン自習

これはコロナ禍の時期に何かの記事で見て知ったのですが…。

家で勉強できない子に対して、塾とオンラインでつなげ、直接塾長が手元を見ることで、勉強しているかどうかを監視するというものです。

直接指導するわけではないので、実店舗の塾生に対する影響も出ません。

オンラインの生徒側も、塾長に手元を見られているという緊張感で集中して勉強できるようになるらしく、見たときは私もなるほどと思いました。

このサービスもやはり、塾に頻繁に通えない子には刺さるかもしれません。

自塾の生徒は近隣の子が多いので、それなら塾に行って自習する、という子が多く導入には至りませんでした。

オンラインに手を出す前に

何か目的があってオンライン授業をやるのであれば構いません。自分のリソースを割いてでもやりたい人を止めることもありません。

ただ、生徒が集まらず、利益が上がらないからと言って、安易にオンラインに手を出すべきではありません。

生徒数が増えないときに、なんとか生徒を囲い込もうとして、コースをどんどん増やしてしまいがちです。

気持ちは分かります。

しかしそれがプラスに働くのは、豊富な人員がいる大手の塾だけ。

はっきり言って、ひとり塾では悪手です。

生徒数が増えないなら、考えるべきは今の学習システムの見直しです。今いる生徒の成績を上げることに全集中すべきです。

そのためにはむしろスリム化が大切だったりします。

ちなみに自塾では生徒数が増えなかったとき、元から生徒数が少なかった小学生のコースを辞めました。

小学生の募集を辞めるのは不安でしたが、中高生に集中することで指導の質も、教室の学習環境も改善し、今に至ったと思います。

あくまで自塾のケースですが参考までに。

ひとり塾で実店舗をもって運営しつつ、オンライン授業もうまく活用して実績を残している塾長さんがいたら、ぜひお話を伺いたいです。

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