退塾
塾をやっている人が最も聞きたくない言葉。仕事で最も落ち込む言葉です。
いま退塾で落ち込んでいる塾長への慰め?と今後の対策についてまとめます。
退塾は100%起こる
私も10年自塾をやっていて、数多くの退塾を経験しています。
逆に、退塾が起こらない塾などありません。どんな力のある塾でも、経験豊富や塾長でも、ほぼ確実に経験しています。
当然です。
生徒のニーズが常に塾が提供するサービスとマッチングするわけではありません。
生徒の成績や意識、環境が変われば、必要なニーズも変わります。
確かに「成績が上がったので近くの集団塾に行きます!」と言って辞めた子もいたな…。
塾が提供するサービスは、多少の変更、刷新こそあれ、それほど大きくは変わりませんから、そこで齟齬が出るのは仕方のないことです。
もちろん生徒や親のニーズを満たせなかったのは事実ですから、真摯に事実に向き合って原因を考える必要はあります。
退塾は必要な新陳代謝
特に喉から手が出るほど生徒が欲しい開業初期の段階での退塾は、相当メンタルに来ますよね。
10年以上経営している現在ですら、退塾に慣れる、なんてことはありません。
せっかく選んでもらったのに力になれなかった…
今でも丸1日は落ち込みます。
一方で塾の指導に合わない子が去るというのは決して悪いことばかりではありません。
生徒が40人いて、全員が全員成績が上がるわけではありません。
塾の指導に対する相性にも差は出ますから、どうしても指導が合わない子は出てきます。
相性を見極めるために体験をやりますが…100%合う子もいれば80%、60%の子もいます。50%以下なら最初から入塾しないでしょうが、それ以上はどうしても入塾後にばらつきが出ます。
指導が合わない子がずっと塾に在籍していても、成績が上がる見込みは低いです。生徒のやる気も上がりません。
それならいっそその生徒にはより自分に合う塾を探してもらい、その分新しい生徒を入れるという新陳代謝を起こした方が双方にとってプラスになります。
結果的に塾の指導に合う子だけが残ることになりますから、成績が上がる見込みも高まります。
退塾とは必要な新陳代謝ともいえます。
何度も言いますが、すべての子供にマッチする塾など存在しないのですから。
反省すべき退塾原因
「塾の言う通りにやっているのに成績が上がっていない」
これが原因での退塾は真摯に反省をし、改善点を明確にする必要があります。
もちろん塾の言う通りにすれば成績が上がるなんて簡単なものではありません。
しかし少なくとも指導に対してお金をもらっている以上は、塾として成績を上げる責務があります。
改善点が明確にし、それを塾の指導に反映して、同じような退塾が起きないようにすることが重要です。
二度同じ轍を踏まない、というのが大切ですね。塾にとって有意義な退塾経験にしたいところです。
この退塾は気にするな
成績が上がっている中での退塾は私は気にしません。
というより、気にはしますが1日で完全に切り替えられます。
たとえば成績が上がったことで、もっとレベルの高い生徒がたくさんいる環境で切磋琢磨して勉強したい子もいるでしょう。
目指せる高校・大学の選択肢が広がり、より専門的な塾に行きたいと思う子もいるかもしれません。
自塾で成績があがったことにより生徒の選択肢が増え、結果塾を辞めることになっても私は残念より誇らしい気持ちの方が大きいです。
【告白】自塾の退塾事情
退塾について、赤裸々に書く塾長もいないと思いますが、自塾の退塾事情について。
2022年1月からの2年半(記事を書いている時点)で退塾した生徒は16人います。
このうち2人が中学生(ちなみに退塾勧告による)。そして14人が高校生です。
14人のうち、11人が高校1,2年生。3人が高校3年生です。
自塾は中学生の退塾率は低いです。カリキュラムも安定しており、結果も出ています。
一方で、高校1,2年生の退塾が多いのが自塾の問題点であり、改善すべき点です。
高校生の退塾要因のうち多いのが、塾に行かなくても家でできる、というものです。
自習に重きを置く自塾では学習計画を綿密にするほど、どうしてもこのような退塾が生じてしまいます。塾に足を運ぶ価値をしっかりと提示する必要があり、現状改善作業中、といったところです。
退塾を糧として経営に役立てよ
何度も言いますが、塾をやっていれば退塾は必ず生じます。
10年やっていても、退塾のメールや電話を受けた時は理由に関係なく非常にショックです。
今でもその瞬間が思い出せる子もいます。
退塾は忘れようとしてしまうのではなく、同じ退塾を生まないように改善しなければ、退塾された意味がありません。
退塾を糧として経営に役立てよ
【○○さんの退塾は、塾のこの改善に役立てられた】と言えるようにしたいですね。
自戒も込めて。