講習は学習塾にとって書き入れ時と言えます。
夏休みなどの学校の授業が進まない期間。復習するのに絶好の期間に価値を提供するのは塾の責務とも言えます。
だからといって適当に案内するだけで受講してもらえるほど甘くはありません。
講習は任意?強制?
講習の受講を強制にしてしまえば受講率など関係ありません。これが最も確実な方法でしょう。
強制にしている塾では、いかに単価を上げるかがポイントとなります。
任意にしている塾では、いかに受講率を上げてさらに単価も上げるかがポイントとなります。
実は受講率も単価も、上げるために必要なポイントは変わりません。
受講率アップのポイント
受講率、単価を上げるためのポイントは、提案方法にあります。
保護者に対して、子供に講習を受けさせる価値があると思わせられるかどうかがカギとなります。
そこで重要なのが、一般論ではなく、生徒一人ひとりの問題を改善させる案を提示することです。
例えば夏期講習の案内をする際…
夏休みなんですから、毎日塾に来て勉強を頑張りましょう!1日2コマ週4日で40コマ…金額は10万です!5教科やれます!受験生ですからこれくらい皆やりますよ!
これって、誰にでも同じことが言えてしまいますよね。
そりゃ受験生なら夏休みは5教科全部勉強しなきゃいけません。でもこれはしょせん一般論。
確かに受験生全員に言えてしまうことだな…何というか…子供一人一人を見てくれてない感じがする
取得するコマ数や金額は確かに重要な要素です。
しかし、保護者にとって一番重要なのは、我が子の問題点、改善点を講習の中で解決できるのかどうかです。
一方で、保護者は漠然と「家で勉強しない」とか「勉強できない」といった状況は把握していても、なぜそうなっているのかの原因まではきちんと把握できていないことが多いです。
ここに、塾の真価があります。
塾は、子供が勉強できない原因を分かっているはずです。
そこから改善点を明示し、実際改善するための具体的な提案をすることは塾の責務。
提案に説得力を持たせることが出来れば、保護者は受講する価値を見出してくれます。
講習の受講率をあげる提案手順
生徒の問題点を明確にする
講習を受ける理由は、問題点を改善し、成績を上げるためです。ただ漫然と勉強するためではありません。
できないから勉強する、なんてのは誰でも言えます。保護者は塾にそのような一般論は求めていません。
このように生徒の問題点を明確にして説明します。
面談をする場合は実際のテストの答案を使って示してもいいと思います。
子供の問題点を把握してもらうことが、受講の動機を生み出す根幹になります。
改善を独力でやる場合の保護者の負担を明確にする
問題点を明確にしても、それが直接塾で講習を受ける動機にはなりません。
それなら、数学のテキストを家で用意してやらせますね!
学校の宿題で復習できるから自分でやれるよ!
生徒や保護者が独力で問題を解決しようと動いてしまえば、講習の受講率は上がりません。
そこで、生徒や保護者が独力でやった場合の負担も併せて明確にしてやることが必要です。
要するに、独力でやるのは面倒で大変だから、お金を払ってでも塾に任せた方が得策だと思ってもらえるようにするということです。
最低2案は提示し選択肢を示す
問題点を明確にし、それが独力で解決が難しいと認識してもらえば、あとは塾からの具体的な提案です。
数字を伴う提案には根拠が必要です。
いきなり30コマなどと言われると、『そんなに必要なの?』『いったいいくらかかるの?』と提案がすっと頭に入ってきません。
とにかく数字には根拠を持たせることが大切です。
さらに1案に対してYESかNOかよりも、2案提示し選択してもらうことによって、成約率も高まります。
ひとり塾だからこそ出せる価値を押し出す
一般的な塾では、教室長が講習の提案をしても実際に授業をするのはアルバイト講師です。
一方ひとり塾では、提案した塾長が授業をします。
この責任は大きいです。その分提案に対する説得力も増します。
ひとり塾では、力のある塾長が生徒一人ひとりを直接見ることに価値があります。講習も例外ではありません。
だからこそ一般論でお茶を濁したような提案や、ただコマ数や金額だけに着目した提案ではあまりにも勿体ない。
私が自ら責任をもって指導しますのでお任せください!
この一言が言えるのがひとり塾の強みです。
受講率を上げて成績も上げ、翌年から特に推さずとも受講してもらえるように、ポイントを押さえて準備を進めていきましょう。