寝ている生徒への対応について

心構え

塾に来る生徒がみんな集中して前向きに勉強できるわけではありません。

生徒は十人十色。集中力が高い子もいれば低い子もいます。

そのなかでも授業中にうとうとしていたり、寝てしまっている生徒に対してどのように対応するべきでしょうか。

そんなの起こしてやらせればいいだけでしょ。

起こすことが寝ていることへの根本的な解決法にならないことがあります。

自らの経験も併せて寝ている子への対応方法を考えます。

寝てしまうのは仕方ない

大前提、私は学生が塾で眠たくなるのは仕方がないと考えています。

朝6時くらいに起きて学校に行って8時間くらい勉強やら運動やらして、そのあと部活がある子はみっちり部活をこなして、そのあと塾に来るわけです。

起床してから13時間後に塾に来て、そこから2時間くらいさらに勉強するのです。

なんかブラック企業並みの実働時間だな…

疲れて体力ギリギリの状態で塾に来るわけですから、眠たくなるのは当たり前です。

生徒も寝たくて寝ているわけではないということは大前提意識しておくべきです。ですので寝ている生徒に対して怒るというのは合理的ではありません。

では、塾としてどのように対応するべきでしょうか。

寝ている生徒への対応方法

結論、私は寝ている生徒に対しては…

  • 寝ていた時間分授業を延長する(状況によって有料)
  • 寝ていた時間分、別日に来てやってもらう(状況によって有料)

このような対応がベストだと思っています。

もちろん指導システムによっては簡単に延長したり、別日に来てやらせる、なんてことはできない塾もあると思うので、あくまで参考までにと言ったところではありますが…。

私は、眠い子にどれだけ「寝るな」と言っても意味がないと思っています。

起きたとしても頭がぼーっとした状態でいくら勉強しても集中できるものではありません。結局起きていても頭が働いていなければ、寝ているのと同じ。

思いきり怒鳴るなどして、外から強烈な刺激を与えて覚醒させるという手段もありますが、特にひとり塾ではあまりおすすめしません。

寝ている1人を起こすために周りの子の集中を巻き添えにするわけですから。

自塾では、寝ている時間は「仮眠」として適正な休憩と扱っており、仮眠をとった時間だけ授業時間(自習時間)を延長します。

ずっとぼーっとした状態で起きているくらいなら、15分程度仮眠を取ってもらって、頭をすっきりさせたうえで取り組んでもらった方が学習効果は高いと思います。

15分で済めばいいけどね…

15分以上寝ていて集中できないようなら、別日への振替で対応しています。

私の考えは「寝てもいいけど、ケツは自分でふけ」です。学校の授業のように寝ていれば、その分勉強しなくて済む、なんて状況には決してしません。

塾生もそれを理解してくれているので、寝てしまった場合は自分の判断で延長して取り組んでくれています。

寝ていた場合は必ず保護者へ連絡をする

寝ていた場合は必ず保護者へ連絡するべきです。

なぜなら、眠くなる原因が単なる疲れだけとは限らないからです。

最近よくある寝る前のスマホ使用や夜更かしなど、生活習慣の問題で睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が下がった結果、日中に眠たくなってしまっている可能性があります。

この場合、いくら振替や延長等で対応しても、根本的な原因を除いていない以上、それがずっと繰り返されるだけです。

その点、しっかりと保護者に連絡していれば、適切な生活指導をしてもらえるでしょうし、スマホの利用などを家庭内でルール化するなど、何らかの措置を講じてくれるでしょう。

集中力を高めるため塾ができること

学習タイマーの活用

学習タイマーを活用し、自分の学習時間や仮眠、休憩の時間を管理してもらうことで、時間への意識を生徒自身に持ってもらうことにつながります。

カウントアップやカウントダウンだけでなく、休憩時はタイマーを止めたり、再開したりをボタン一つで簡単にできます。

消音機能があるものなら塾でも活用できます。

自塾では全席に学習タイマーを設置して、活用してもらっています。

細かいスパンでの休憩

大手学習塾の一般的な授業時間は80~90分程度です。

おそらく、人間が集中できる時間の限界に合わせて授業時間を設定しているのだと思いますが、子供を見ていれば分かります。

90分も集中して取り組めるのは一部の高学力層だけです。多くの子はそんなに長い時間集中できません。

集中力が醸成されていない子が、集中して勉強できるようになるための最初のステップとして「30分勉強して、5分休憩を3回繰り返す」と言った、細かいスパンで休憩を入れる勉強法があります。

これをポモドーロ法というそうです。

頻繁に休憩を入れる分、30分の勉強における集中力が高まり、学習効果も上がるということです。

もちろんこの30分で集中してやれていなければ無駄に休憩を多く与えているだけになるので、最初はしっかりと管理する必要があります。

生徒に発問する

発問とは、「なぜ」「どうして」という問いを生徒に投げかけて、考えさせることです。

皆さんも経験があると思います。指名される授業と指名されずにずっと先生が解説するだけの授業のどちらがちゃんと聞こうと思うでしょうか。

指名されて答えられなかったら恥ずかしいし…指名されると分かっていたらちゃんと聞こうと思うかもな…

『指名されたら、みんなの前で答えなければならない』

『解いた問題からランダムに発問されて、しっかりと答えられないと帰れない』

発問は緊張感を生みます。緊張感が生まれると眠気が生じにくくなります。緊張感は集中力を生みます。

発問をうまく指導システムに組み込んで、活用していきましょう。

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