もちろん悪口だとかそんな低次元の話はしません。
子供を相手にしている塾講師が無意識に言ってしまいがちな言葉があります。
何気ない一言が子供の自尊心を傷つけやる気を削ぐきっかけになりかねません。
今回はそんな『塾講師、特にひとり塾長が言ってはいけないこと』をまとめます。
特にひとり塾長は声掛けに気を配らなければいけない
もちろん言ってはいけないことに立場など関係ありません。
しかし、特にひとり塾の塾長は気を配らなければなりません。
なぜならフォローしてくれる人がいないからです。
例えばアルバイトの講師が言ってしまったとしても、他の先生や教室長がフォローすることができます。ひどければ担当変更という手もあるでしょう。
一方ひとり塾では当然そんなことはできません。言った本人が気付いていないのですから。
誰もフォローしてくれる人がいないのですから、特にひとり塾長は発言に気を配る必要があるのです。
ひとり塾長が生徒に言ってはいけないこと
『さっきも言ったよね』
何度教えてもわかっていない。解けない。
塾講師なら経験したことがある人は多いと思います。そんな時に『さっきも言ったよ!』と言いたくなる気持ちもわかります。
しかしこれは絶対に言うべきではありません。
なぜなら1度聞いたことは聞いてはいけないんだと生徒に刷り込むことになるからです。
そもそも1回聞いただけでできるようになる子なら、塾なんて必要ありません。
何度も教えてそれでも分からないなら、それは教える側の技術の問題です。生徒のせいにする前にまず自分の指導技術を疑いましょう。
分からないことがあったら、遠慮なく何度でも質問してね!
『こんなの間違えたらダメだよ』
簡単な問題で間違えていたらつい口走ってしまうそうな言葉ですが、もちろんこれもダメ。
間違えること=ダメなことという刷り込みをしてしまうことになるからです。
皆さんは今まで間違えずに生きてきましたか?違いますよね。たくさん間違えて、それをたくさん克服してできるようにしてきたはずです。
間違えることは、つまり成長への第一歩です。
間違えたらいけないというのは成長してはいけないということです。塾で働く人間が口にすることではありません。
どれだけでも間違えていいから、同じ間違いをしないようにしっかりと直しをして理解しようね!解説読んでも分からなければ遠慮なく聞いてね!
『他の子は(○○さんは)できるんだから…』
他の子と比べるというのも当然NGです。個別だろうが集団だろうが、塾が見るべきは生徒個人としてのみです。
特に友だち同士で来ている子や、信頼関係ができていると思っている指導歴が長い子が相手の時には油断して口走らないよう注意が必要です。
『60点?○○君ならもっと取れるよ』
要は、結果ではなく過程をしっかりと評価してあげることが重要だということです。
点数など誰にでも評価できます。今日会ったばかりの知らない子のことも評価できてしまいます。
一方、塾長ならその生徒のテストまでの過程を見ているはずです。結果はその産物にすぎません。
点数が低ければ、過程におけるどこが問題でどのように改善していけばよいのかを提案し、達成できるよう伴走するのが塾の仕事です。
点数が高くても、過程で疎かだった部分はしっかりと指摘して改善させるのも塾の仕事。
点数だけで評価する人間など塾には必要ありません。
声掛けのミスは一発退塾もありうる
こういった声掛けのミスは、大手塾など講師が複数いる塾ならカバーできます。
生徒も他の講師や教室の責任者に訴えることもできるわけです。
しかしひとり塾ではそれはできません。
生徒はモヤモヤを抱え続けることになります。
生徒が親に言って、親から塾長に伝わることもあるかもしれません。これならまだマシです。改善できるチャンスがあるわけですから。
しかし、保護者が塾長に意見するのは勇気がいるものです。ひとり塾ならなおさらです。
誰にも注意されないまま言い続けた先に待っているのは信頼の失墜。
ひとり塾で塾長が信頼を失えば、退塾しかありません。塾長本人がミスに気づかないまま去っていくわけです。
理由がよく分からない退塾がある場合は思い返してみるべきです。
表面上の性格で判断しない
声掛けのミスは多くの場合、生徒を表面上の性格で判断することから起こる油断が原因です。
確かに明るい子にはフランクに話しかけやすいし、シャイな子にはゆっくり丁寧に話しをしがちかな…
ハキハキとして快活な優等生タイプと、奥手でシャイな目立たないタイプ。
コミュニケーションをとっていると勝手に分類しがちですが、こういった表面上の性格で人を判断するのは危険です。
快活そうに見えて心から明るいタイプではなく、人前では明るくふるまっているだけかもしれません。
シャイで人見知りそうに見えて実は人をよく観察していて、いうべきことははっきりというタイプかもしれません。
人の性格は表面的に見える部分では到底判断などできません。
勝手な判断による油断から生徒の信頼を損なわないように、声掛けには十分に注意するようにしましょう。