「入塾金」とは、塾に入る際に頂くお金です。入会金と言ったりもしますね。
入塾金って何に使うかはっきりしないでしょ?必要ないんじゃないか?
塾業界で入塾金はほぼ慣例化しているともいえます。
そのため、塾関係者の中にも入塾金は要らないという声もあります。
では、ひとり塾経営において果たして入塾金は設けるべきなのか。考えます。
入塾金の相場
ホームページを見てみると、自塾周辺の学習塾の入塾金の相場は大体1万円~3万円前後です。
ちなみに自塾では2万円に設定しています。
数年前まで1万円でしたが、口コミを得られるようになってきたので、値上げをしました。
ひとり塾で入塾金は必要か?
個人塾ですから入塾金をもらうかどうかなんて各塾の自由です。誰かに強制されるものではありません。
それぞれの塾長が自身の信条に従って決めればいいのです。
そのうえで私の意見を述べるのならば、私は特にひとり塾においては入塾金を設けるべきだと思います。
入塾金を設定する理由(建前)
意図しない通塾を避ける
例えばテスト前だけ入塾して1ヶ月程度通塾し、テスト対策などをしてもらったうえで、テスト後に退塾。そしてまた次のテスト前に入塾し…というのを繰り返しながら塾を利用する。
このような通塾を良しとする塾はあまりないのではないでしょうか。
一方で制度上これを禁止とすることは難しいですよね。
塾は勉強を教えるところでしょ?テスト前だけ塾を使って何が悪いのよ!
入塾金を設定することで、入塾のたびに授業料とは別に費用を設定できるので、このようなピンポイントな通塾を避けることができます。
そりゃ毎週ちゃんと通ってくれている子に力を入れたいけど…ていうかこんな子いる!?
はい、少なくとも私は経験がありません。だから建前なんです。
短期退塾に対する保険
定員を満たし、満席で通塾をお断りしているような状況のなかで、短期で塾を辞められてしまった場合、お断りしたご家庭が必ずしも入塾してくれるとは限りません。
えっそんな急に空いたんですか?もう別の塾に通い始めてしまっていて…そこでお願いすることにします。
このような機会損失が生まれてしまう可能性もあります。
入塾金をもらっていれば少なくとも1ヶ月程度は損失を補填出来ます。ある意味保険のような役割を果たしてくれるというわけです。
入塾金を設定する理由(本心)
売り上げに大きく貢献する
入塾金が2万の場合、10人入塾すれば20万です。
単価2万の生徒の10ヶ月分の通塾料金が、塾に入ってもらうだけで得られます。
ひとり塾にとってこの売り上げは大きいですよ。
しかも入会金はいろいろな業種で採用されていますし、入塾金が大手塾で慣例化している状況では、拒否反応を示す保護者はそれほど多くありません。
事実、自塾でも入塾金に対して何か言われた経験は今まで一度もありません。
言い方は適切ではないかもしれませんが、『もらえるものはもらっておくべき』です。
それを塾の設備などに還元すれば十分塾生のためになりますから。
キャンペーンを打ちやすい
入塾金は、そもそも費用に対する対価としてもらっているお金でない以上、無料にしても損失は出ません。
なくても損失にならないお金はキャンペーンで扱いやすいです。
- 今なら入塾金
20000円→ 0円 - 入塾金無料キャンペーン実施中!
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特に開業初期では、このようなキャンペーンは目を惹きます。
入塾金を設定していなければこのようなキャンペーンは打ちづらいですから。
入塾金をなくすことが保護者の負担を減らすことになるか?
『入塾金をなくして保護者の負担を少しでも楽にしたい!』という想いを持つのは構いません。
しかし、入塾金の負担以上に保護者の心的負担になっているのが、子供の成績です。
結局どれほど入塾金が高かろうが、タダであろうが、子供の成績を上げることでしか、保護者の負担は減らせません。
成績が上がればどれだけ入塾金が高かろうが保護者は喜んでくれます。
成績が上がらなければ入塾金がタダであろうが保護者は落胆します。
このことを考えれば、入塾金の有無など大した問題ではありません。入塾金があろうがなかろうが、成績を上げられる塾こそ正義です。
入塾金はシンプルに塾長の給料でOK
例えば大学の入学金は『大学運営のための経費』ということになっています。
そして大学運営のための経費には、大学で働く職員の皆さんの給料も入っていますよね。
塾でいただく入塾金が、塾長の給料になることと何か違いがあるでしょうか。
塾長が生活できるだけの稼ぎがなければ塾はつぶれます。
塾長の給料が上がれば、塾の運営も維持できますし、塾長もお金の心配をせず指導運営に注力できます。
入塾金の使途は塾の運営維持のための塾長の正当な給料。
私はそう考えて入塾金を頂いています。