待ちわびていた問い合わせがあるとつい浮かれてしまいますが、問い合わせがあってもそこから入塾してもらえなければ意味がありません。
新規の保護者との面談で注意すべきことと、自塾でどのように面談を進めているかをまとめました。
ちなみに「新規の保護者」とは初めて問い合わせをしていただいた保護者と言うことです。塾生の保護者と区別するため、ここではこのように呼ぶことにします。
面談前に伝えること
日時は当然として、それ以外に保護者に伝えるべきことは2つあります。
必ず子供も含めた3者面談にする
自塾でも必ず3者面談にしています。
子供を必ず同席させる理由の1つは、子供のやる気を見極めるためです。
保護者だけがノリノリで、子供が全くやる気がないというケースがあるのです。やる気のない子は、入塾しても成績は上がりづらく、継続力もないので早晩退塾します。
結局子供が勉強するのに、その場に子供がいないというのはナンセンスです。必ず3者面談にしましょう。
成績表を持参してもらう
「うちの子数学が苦手で…」と言われて、どれくらいの実力を想像するかは人によって異なります。
苦手ってことは平均以下ってことかな、と思ったら、そもそも分数の計算すら危うく、実際後日成績表を持ってきてもらったら、下から5番目くらいということもありました。
一方で、「数学ができない」と言われたのに、成績表を見たら、数学以外は90点台、数学だけ70点台、と言う子もいました。
できるできないの基準が人によって違う以上、それを埋めるためには客観的な指標が必要不可欠です。
正しい認識を持てるように成績表は必ず持参してもらいましょう。
面談時のポイント
新規面談は「最初から塾に興味があるお客様」です。飛び込み営業などと比べて難易度は低いですが、逆に言えば、面談でキャンセルになったら、どこかに大きな問題があるということです。
声・表情・身だしなみなど
声の大きさ:極端に大きくないか。またぼそぼそしゃべって聞き取りづらくないか。
表情:仏頂面になって面談ではなく、面接のようになっていないか。笑顔で話せているか。
身だしなみ:清潔感はあるか。極端にカジュアルになっていないか。アクセサリーや香水など不要なものはつけていないか。
話すスピード:早口になっていないか。抑揚をつけているか。
ヒアリング重視
塾の面談では、生徒や保護者がどんな悩みを持っていて、塾でどのように解決したいか。どんなサポートを求めているか、をしっかりとヒアリングすることが目的です。
面談でよくあるのが塾長しゃべりすぎ問題です。
うちの塾はここがこうで、こういうところがほかの塾と違っていいところで、結構うちに通っている生徒さんもこういうところが良いと言ってくれていて……………
なんか自分の話ばかりであまり私の話を聞いてくれていないな…
面談の目的を「塾のアピールと入塾の契約」にしてはいけません。あくまで面談はヒアリングに徹し、保護者、子供の悩みや要望をしっかりと聞き取りましょう。
言いたいことを全て言ってもらった上で、最後に「保護者の悩みをうちならこう解決できる」という話を、塾の説明と一緒にするようにしましょう。
カットインしない
先述の内容と少し重なりますが、面談をしていて保護者がしゃべっているときに、「あっそれはこういうことだな」と思ったら、カットインして話し出す人がいます。
特に塾をやるような人だと、相手に教えることや伝えることを言語化することが得意な人が多いので、つい話してしまいます。
自分が言いたいことがあってもカットインせず、最後まで保護者の話を聞く、と言う意識でいましょう。
そして、会話に間が生じたタイミングで、1つ1つ順番に伝えるようにしましょう。
無理なアイスブレイクはしない
アイスブレイクとは、商談や初対面の人との面談など緊張感のある場を和ませるようなコミュニケーションことを言います。
簡単に言えば、本題に入る前の雑談です。
最初に場を和ますことでその後のコミュニケーションを円滑にして、成約しやすくすることが目的です。
ただ、私は特に最初に雑談はしません。私は、保護者や生徒からヒアリングする中で、雑談を交えた話をするようにしています。
例えば部活の話やほかの習い事の話、家での過ごし方や、ゲームスマホの使用状況など、これらは必須でヒアリングすべきことです。
基本的に雑談のようにして話を聞くなかで緊張感をほぐすことを心がけています。
先生「○○さん、部活は何をやっているの?」
子供「テニス部に入っています」
先生「テニス部か、俺と同じだね!結構忙しい?」
子供「平日は毎日あるのと、土日はどっちかは必ずあります。試合がある日は2日ともある日もあります」
先生「毎日結構大変だね、…で、○○さんは強いの?」
子供「まあまあですけど、前の大会では3位でした」
先生「3位すごいじゃん!練習頑張っているんだね、じゃあ勉強時間はあまりとれてないか?」
子供「でも1時間くらいはスマホとかで動画見ているんで、時間はあります。」
先生「○○さん、1時間もスマホみてるの!?じゃあ、勉強時間は作れそうだね!」
部活や家での学習状況などの情報を聞き出すための会話ですが、雑談みたいに感じませんか?
最初に雑談で緊張をほぐすというよりも、雑談ぽくヒアリングする中で少しずつほぐしていくイメージでやっています。
その方が時短にもなりますし。
名前を呼ぶ
面談の際、子供に話題を振るときや、子供の話に対するリアクションなど、随所に子供の名前を言うようにしています。
先ほどの会話例でも何回か名前を読んでいました。
名前を呼ぶことで親密度が上がり、緊張感をほぐすことにつながります。
持論ですが、最初にいくら雑談をしようが、結局時間をかけて会話しないと緊張感などほぐれないですし、信頼感も伝わりにくいです。
会話の中で緊張感をほぐす手段の一つとして名前呼びは有効です。
結論を急がせない
これは一般的な営業ではNGなのかもしれません。
面談の中で体験や入塾を獲得しに行くのが本来の正しい姿勢だと重々理解しています。
しかし私はあえてその場で無理に結論をもらおうとしていません。
もちろん本日お申込み頂いても結構ですが、持ち帰ってしっかりとご家族でご相談されてから申し込んで頂いても構いませんよ。
是非ほかの塾さんとの比較検討をしてください。
他の塾、特に大手の塾は生徒獲得が責任者の成績ですから、ガツガツ勧誘してくるでしょう。
いろいろな塾に行って検討している保護者は、それに嫌気が刺している可能性があります。
そんな時にこのように言われたら「おっ!?」となりますよね。
ただここで注意点がひとつ。
このようなことを冷静に言ってしまうと、『あれ、うちの子には別に来てほしくないのかな』と思わせてしまう可能性があります。
そのように思わせてしまわないように…
もし当塾にお申込み頂けるようでしたら、しっかりとサポートします!○○さんは頑張れば伸びる可能性が高いと思うので、私も頑張りますね!是非ご検討下さい!
その場での結論を求めはしないけど、ちゃんと「来てほしい」という気持ちがあるということを伝えることが大切です。