ひとり塾を開業し、少しずつ売り上げを伸ばしていき、5年目に一つの目標としていた年間売り上げ1000万を見事達成!
ひとり塾での年間売り上げ1000万は月80万プラス講習等の売り上げと考えると、単価2万の生徒が40人ほどですから、とても優秀です。
これからもっと頑張って売り上げを伸ばすぞー!
と意気込んだ矢先に気づいてしまいます。
そう、『消費税』の存在です。
消費税の納税が必要な条件
消費税を納税する個人事業主の条件はいくつかあるようですが、ここではひとり塾の経営のあてはまるであろう部分だけ紹介します。
ずばり、年間の売り上げが1000万を超えた場合です。
課税所得ではなく『売上』。
単純に塾に入ってくるお金が1000万を超えると、その2年後の期の確定申告で消費税を納税しなければなりません。
ちなみに法人化すると、2年間は消費税免除となります。売り上げが1000万を超えたら法人化を検討すべし、という話が出てくるのはこれが理由です。
法人化についてはまた別の記事にするかもしれませんが、売り上げ1000万超え→法人化、と短絡的に考えない方がよさそうです。
私はシミュレーションの結果、個人事業の方が得、となりましたから。
消費税納税の事前準備
では消費税納税のために必要な準備についてひとり塾のケースに絞って考えます。
ちなみに私は税理士ではないので細かい制度について詳しくはありません。ひとり塾の申告に関しての話だけをするのでご了承を。
例えば令和5年の売り上げが1000万を超えた場合、令和7年分の確定申告から課税事業者になり、令和8年の3月末までに消費税を納税する必要があります。
このケースでまずやるべきは、令和6年の12月末までに『簡易課税制度選択届出書』を税務署に提出することです。
かんいかぜいせいどせんたくとどけでしょ…なんだそのややこしい名前は
なんでも、消費税の計算方法には本則課税と簡易課税の2つの方式があるようです。
ちなみに後述するインボイス制度に対する措置として『2割特例』という課税方式が現在あるようです。
ただひとり塾においてはあまり関係ないと思われます。2割特例を受けるには、免税事業者なのにわざわざ課税事業者にならなければなりません。
ひとり塾ではそもそもインボイス発行事業者になる必要がないので、免税事業者ならそのままでいた方が得です。
ひとり塾においては、簡易課税の方が納税額が安く済むのでこちらの計算方式で納税するのが有利ですが、事前の届出が必要です。
消費税の確定申告
簡易課税制度選択届出書を提出したら、あとは消費税の確定申告です。
所得税や住民税の確定申告とは別で申告書を作成し、提出しなければなりません。
所得税等の確定申告をしたら、勝手に計算してくれるわけじゃないのね…
とはいえ、自塾で使っている会計ソフトfreeeなら必要事項を記入すればそれほど手間なく作ることが出来ます。
ひとり塾の消費税額はどれくらい?
自塾のある年の確定申告の結果…
売り上げが約1100万程度で、消費税は約55万でした。
ワンパンの55万納付か…きついな~
消費税は売上に対して課税されるので、売り上げが増えれば増えるほど納付するべき消費税も高くなります。
近年話題のインボイス制度
ちなみに近年話題の『インボイス制度』。ご存じでしょうか。いろいろ見てみても制度設計がかなり複雑。完璧に理解することなんてできませんでした。
ただ、ひとり塾に絞って対応を考えた結果。
結論から言えば、『関係なし』です。
売り上げ1000万を超えるひとり塾
売上1000万を超えれば課税事業者です。
課税事業者となったひとり塾がインボイスに登録する必要があるのかどうかですが、結論ありません。
お客様は保護者であり、一般の消費者なのでインボイス(適格請求書)を交付する必要がありません。
売り上げ1000万以下のひとり塾
売上1000万以下なら免税事業者(消費税納付しなくてよい事業者)です。
たとえ免税事業者のままでいて、消費税を保護者から請求できなくなったとしても、料金表記を変えれば済みます。
16,500円(税込)の税込をはずして、16,500円とすればいいだけです。保護者側も授業料が変わるわけではないので、結果何も変わらず同じ金額で請求できます。
保護者から16,500円(税込)の授業料をもらう場合、このうち消費税は1,500円です。
消費税は間接税なので、保護者から預かり、私たちが代わりに国に治めなければなりません。この1,500円は本来国に治めるべき税金です。
売り上げ1000万以下の事業者はこの分の納税が免除されているわけですね。
本来払うべき税金を懐にそのまま入れられるわけです。これを『益税』と言います。
これにメスを入れたのがインボイス制度らしいですが、ひとり塾にはあまり関係ない話でした。
消費税申告の注意点まとめ
① 売り上げが1000万を超えたら消費税申告の準備をする1
1000万を超えないように売り上げを下げようとして、事業と関係ないものまで経費計上するのは当然NGです。税務署にメスを入れられたらペナルティを受けます。
そもそも子供を相手に仕事をする人間が、ルール違反で税金をごまかすなんてのは恥ずかしい話です。
② 簡易課税制度選択届出書を提出
国税庁のホームページに原本があります。
提出期限があるので、忘れないように注意してください。数十万レベルで納税額が変わってしまう可能性があります。
③消費税確定申告を忘れずに
会計ソフトでできますが、不安なら税理士に相談してみてください。