たくさんの講師を雇って運営する塾の場合、教室責任者は基本的に運営が仕事になり、学習指導は講師に任せることが多いようです。
塾長が授業や質問対応をしないので、優秀な講師さえいれば自分が優秀でなくてもそれほど問題はありません。
しかし、ひとり塾長の我々は運営以上に授業や学習指導が最も重要な仕事になります。
勉強が苦手な塾長が運営するひとり塾というのは、だらしない体をした人のパーソナルトレーニングジムみたいなものです。
ぽっちゃり体形のパーソナルトレーニングジム…説得力がないね
もちろん「名選手名監督にあらず」という言葉もありますから、勉強できないからと言って、塾長として資質がないわけではありません。
しかし、最低限の学力は当然に求められます。
ひとり塾長に求められる最低限の学力
ひとりで塾をやるなら「高校入試レベルを指導できる程度の学力」は必須です。
多くのひとり塾では、中学生が主要なターゲットになるかと思います。
小学生は単価が上げにくいので、受け入れ人数の限界値が低いひとり塾でメインターゲットにするには少々厳しいかと思います。
高校生だと、内容が難しくて指導に自信がない、というケースもあります。教科数も多いですしね。
その点中学生なら、定期テストや高校受験があるので単価も上げやすく、5教科だけで、しかも独学でカバーできる程度の難易度です。
逆に高校入試程度が満足に指導できないなら、ひとりで開業するのはおすすめできません。
でも今はICT教材とかオンライン質問対応とかあるし、そういう教材を使えばいいんじゃない?
そのようなシステムを使うこと自体は構いません。
しかし、そういったシステムは「最終的にわからなければ塾長に聞けばいい」という安心感があって初めて成立するものです。
質問しても答えてくれない塾など、早晩見限られてしまいます。
ひとり塾長は勉強し続けなければならない
学習指導要領は数年に一度大きく変わります。
例えば中学生の学習指導要領の改訂で、英文法に「仮定法」「原形不定詞」「完了進行形」など高校分野だった内容が中学に移行しました。
自分が学生の時に勉強していなかったことも、生徒に指導するためにはしっかりと勉強しなければなりません。
生徒には家で宿題をやらせるのに自分は勉強する時間がないなんて言い訳するのは見苦しいですよね。
ひとり塾長に知識のアップデートは必須です。
そういう意味でも勉強できない塾長は信頼を得られず、いずれ淘汰されていくでしょう。
自ら学んでこそ生徒がついてくる
塾で子どもに勉強を教える仕事ですから、最低限勉強ができることは求められますし、ましてやひとり塾をやろうとする人間なら、教える技術があって当然です。
一方で、時代は変わります。
今まで高校の学習分野だった内容が中学に移行しています。
今まで選択だった単元が必修化しています。
今まで存在しなかった教科が時代の流れに応じて生まれてきています。
ひとり塾長はこういった変化にしっかり対応し続けなければなりません。
常に生徒にわかりやすく指導できるようにし、質問に的確に答えられるように自らをアップデートはし続けなければならないのです。
自己研鑽を怠った塾で起こること
塾長が自己研鑽を怠った塾で最初に起こることは、優秀層の退塾です。
生徒の質問に必ずしも即答できなければならないわけではありません。
ごめん、ちょっと時間もらっていい?ちゃんと解いてから説明するね。
とまあ、こんな感じで、調べた上で解説しても構いません。
しかし、自己研鑽を怠って、毎回答えられず調べているようでは生徒は見抜きますよ。
「あっ…この先生たぶんわかってないんだ」って。「この先生、あまり賢くないかも…」って。
すると、優秀な層の生徒から辞めていきます。
優秀層が辞めれば、結果が出るまで時間がかかる子が残るので、口コミが広がりにくくなってしまいます。
長く塾を続け、信頼される塾長としての口コミを広げるためにも、勉強という自己研鑽は怠ってはいけないのです。
自己研鑽なくして稼げない
「ひとり塾」において、塾長の説得力は塾の人気に直結します。
①生徒がわかりやすい、理解しやすい授業をする。
②生徒の改善点や弱点をすぐに発見して指摘し、指導できるようにする。
③生徒の質問にすぐに対応できる。
これらを一定のレベル以上で常にできるようにしておきたいところです。
つまり知識をアップデートしつつ、自己研鑽が必要不可欠と言うことですね。