塾を開業するときに迷うのが「何月に塾を開けばいいのか」です。
う~ん、よくわからないけどキリのいい年度初めの4月とかでいいんじゃない?
はい、わたしもそう考えてました。
そして痛い目を見ました。
学習塾には多少の地域差はあれど、問い合わせが来やすい時期とそうでない時期というのがあります。
何月に開業すれば問い合わせが来やすいのか、自塾の経験を基に考えます。
問い合わせが来やすい時期
このグラフは10年分の自塾の月ごとの問い合わせ数をグラフ化したものです。
ずばり自塾の地域で問い合わせが多い月は2~3月。
あとは年によってばらつきがある印象です。
理由はやはり、新年度に向けて塾に通うことを検討したり、転塾を考え始めるご家庭が増えること挙げられます。
大手塾だと「半年分や年間の授業料や教材費が前払い」と言うこともあるようで、次の期間分を払うタイミングが3月とか4月とかになるらしく、そのタイミングでの転塾検討が増えているのかもしれません。
問い合わせが少ない時期
逆に、4月と8月は毎年かなり少ない印象です。
4月は新年度が始まり、新生活が始まるタイミングでばたばたしているところも多いようで、問い合わせが落ち込む傾向にあります。
また、4月は定期テストもないので、通塾に対する熱が起きにくいのでしょう。
大手塾のチラシ攻勢も4月を目途に沈静化する印象です。
確かに4月は新しい生活に慣れることに必死で、塾に通うことはまだ考える余裕がないかも…
8月は夏休み真っ只中です。
塾にとっては書き入れ時と言われる「夏期講習」の時期です。
大手だと5、6月あたりから夏期講習に向けた面談を始めるなど、早い段階で囲い込みが始まります。
8月だと、すでに通っている塾の夏期講習の受講真っ只中なので、新しく塾を検討する余地はまだないのでしょう。
夏期講習の結果が出るかどうかで、塾を変えるか考えようかしら…
前後期制か3学期制か
近隣の中学校が前後期制か3学期制かも確認しておくべき指標の一つです。
前後期制について
前後期制では、1年を前期と後期で分け、それぞれでテストを2回ずつ実施します。テストの実施月は、一般的に6月、10月、11月、2月です。
例えば4月に開業すると、テストまでに2ヶ月以上空きます。テストへの熱が高まっていない状態での開業はリスクの一つと言えます。
3学期制について
3学期制は1年を1学期、2学期、3学期の3つに分け、それぞれでテストを2回ずつ実施します。ただし、3学期は学年末として1回しか実施しない所が多いです。
テストの実施月は、5月、6月、10月、11月、2月です。
3学期制の場合、4月に開業しても、1ヶ月後にはテストがあるので、テストへの熱は、前後期制より高いかもしれません。ただし、その間にゴールデンウィークを挟むので、テスト対策が難しいところもあります。
おすすめの開業時期は…
以上のことを踏まえると、私がおすすめする開業時期は1月です。
2~3月にたくさん問い合わせがあるなら、そこで開業すればいいんじゃない?
開業する前に、まずそこに塾ができたということを周知する必要があります。
1ヶ月かけてチラシをまいたり、看板を掲げて通行人の目につくようにしたり、ホームページの洗練させたりするなど、近隣の保護者にできるだけ刷り込みをしておくわけです。
そうすると2月に、塾に通う熱が高まった時に…
そういえば、あそこに塾ができてたわね…ちょっと話を聞いてみようかしら!
と思ってもらえる可能性が高まります。
それなら11月とか12月じゃダメなの?
早めにすればそれだけアピールできる期間も増えますが、家賃などの固定費は出ていくので、そのバランスを考える必要があります。
その次におすすめするなら6月です。
前後期制ならテストが終わって夏期講習でどう復習するかに訴求できます。3学期制ならちょうどテストとテストの間で、塾への熱が高まりやすいです。
新年度から1ヶ月経って生活にも慣れて来て、塾を検討できるだけの余裕も生まれていると思われます。
まとめ
もちろん開業時期は、地域によって特性も違うので、何月が正解というものはありません。
ただ、大手塾の新聞の折り込みチラシや、ポスティングのチラシの状況を見ると、この月が狙い目というのは大体わかります。逆にこの月はチラシ入れても意味ない、というのも見て取れます。
あとは、その大きな波が来る前に開業準備を終わらせて、近隣保護者にしっかりと塾をアピールしておくことが重要です。
大きな波が来る前にしっかりと漕いで立ち上がる準備をしておかなければ、波には乗れませんからね。