ひとり塾経営で感じるストレスとは?

ひとり塾経営で感じるストレス 心構え

上司も部下もいない。へこへこしなければいけない取引先もない。

やりたい指導がすぐにできて、子供の成績が上がっていき、自信をつけていく過程を近くで見ることができる。

異動もないので、生徒の成長を感じることができてやりがいも大きい。

ひとり塾経営はそんな素晴らしい仕事です。

しかしそんな中でも、まったくノーストレス、というのはあり得ません。

ひとり塾経営で感じるストレス

金銭面でのストレス

サラリーマンなら、会社の業績が下がっても給料が大きく下がることはそれほどありません。一応日本は終身雇用ですから、会社が倒産しない限りこの先の給料は保障されているようなものです。

しかしひとり塾では、売り上げが下がれば、自分の収入もその分ちゃんと下がります。

授業料2万円の生徒が1人辞めるということは税引き後20万程度の年収を失うというわけです。

また、開業初期なら引かれる固定費と低い売り上げに頭を悩ますこともあるでしょう。

小規模でも一応は経営者ですから、金銭的なストレスは必ずついてまわります。

2月~3月に受験生が卒塾すると平気で数十万収入が落ちるということです。毎年ドキドキです…

金銭面でのストレスを緩和するために

個人事業主としてひとり塾でやっていくなら金銭面でのストレスを甘受しなければなりません。

これがどうしても嫌なら、正社員で毎月安定した給料をもらえる立場にいた方が、精神衛生上遥かにいいでしょう。

このストレスは甘んじで受け入れるという前提で少しでも金銭面でのストレスを緩和するには「出費を抑える」ことが重要です。

特に固定費。ズバリ家賃ですね。

地域にもよりますが開業当初から20万、30万の物件を選んでしまうと、損益分岐点が高くなり、黒字化まで時間がかかります。

ひとり塾経営は少人数高単価が原則ですが、開業初期に高単価はなかなか見込めません。少人数低単価の状態で大きな固定費を払うわけですから、特に初期のストレスは大きいです。

特に家賃はこの先ずっと払っていくことになります。特に注意して物件を選ぶようにしましょう。

保護者へのストレス

ひとり塾で関わる人は生徒か保護者しかいません。

生徒への指導をストレスだと思うならこの仕事は向いていないと思いますが、いわゆる「モンスターペアレンツ」みたいな保護者の対応は大変です。

幸い自塾では、10年やっていてこういった類の保護者に当たったことはないので恵まれていると思います。

ここでは言及しませんが、授業料を低くしたり、無料○○で集客をすると、質の悪いクレーマー気質の保護者に当たる可能性が高くなるというのはサービス業の常識です。

少人数高単価の運営を目指していけば、自然とモンスターペアレントのような人に当たる確率は低くなりますが、特に開業初期はしっかりと見極める必要があります。

保護者へのストレスの緩和法

モンスターペアレンツに対するストレスの緩和方法などありません。

現状そのような保護者がいるなら、退塾を決断してもらうまで待つしかないでしょう。

もしくは退塾覚悟で毅然とした態度でダメなものはダメと言って納得してもらうしかありません。

その上で、そもそもモンスターペアレンツを入塾させないようにしなければなりません。

  1. 体験期間で様子をみる
  2. 入塾前にしっかりと規約の説明をする

通塾体験期間を設け、保護者が塾に対して何か理不尽な要求をしてきたら入塾前にお断りをしましょう。

また、それでも入塾を希望してくるなら、しっかりと規約の読み合わせをして、のちに言った言わないの水掛け論にならないようにしましょう。

実務的なストレス

ひとり塾の仕事は、生徒に勉強を教えていればそれでよいというわけではありません。

  • ホームページの更新や情報発信
  • チラシなどの販促の準備
  • 領収書など収支の整理
  • 授業料の口座振替の手続き
  • 申告関係の手続き

ひとり塾では、教えること以外の仕事がたくさんあります。

それをすべて自分ひとりでやらなければなりません。

もちろん外注するという手もあると思いますが、開業初期では自分でやるのが最もコストを抑えられます。

こういった実務的なストレスは、慣れれば軽減されていきますが、慣れていない開業初期では大きなストレスを感じるかもしれません。

実務的なストレスの緩和法

これはとにかく「慣れ」

何事も慣れていない最初の段階は、きつく感じるもの。

慣れてしまえばほぼルーティンワークになるので、特にきついとも感じなくなります。

代表的なものが会計ソフトです。

最初はいろいろと初期設定や慣れていない状態での仕訳入力は大変だと感じるでしょう。

しかし1年やってコツがつかめれば2年目は楽になりますし、5年やればほぼ何の苦も無く確定申告は終了します。

税理士に依頼すれば何十万もかかる作業ですから。

隣人ストレス

要するに塾のお隣さん(上下も)によるストレスです。

事前にテナントが入っている場合は、契約前に確認することができます。

問題は隣が空室だった場合。

どんな店舗が入ってくるのか予想できません。

自塾の例をひとつ。

塾の隣は長らく空きテナントだったのですがある時、1年間限定で近くの工事現場の人たちの休憩所として活用されることになりました。

すると、共用のトイレは汚くなるわ、廊下は泥だらけになるわ、頻繁に出入りがあってうるさいわ、と非常にストレスになったのを覚えています。

1年の我慢だと割り切っていましたが、これが続いていたらテナント変更も考えていたでしょう。

隣人ストレスの緩和法

契約前に客として訪問するなどしてリサーチをするのもいいでしょう。

さらに隣人で何かトラブルがあったときにどのように対応してくれるかなど、管理会社にも事前に確認するようにしましょう。

契約後にどうにかなるような問題でもないので、事前にしっかりとリサーチしておくことが重要です。

ノーストレスはあり得ない

ひとり塾のメリットは、上司部下や取引先などの上下関係に悩まされず、自分がやりたいと思うことをすぐに実現できるところにあります。

しかし、これは言い換えれば、「代わりにやってくれる人は誰もいない」ということでもあります。

特に脱サラした人だと、自分の尻拭いを上司がしてくれたり、雑務を部下が引き受けてくれたり、と言った恩恵を自然と受けていたことに気づかされるかもしれません。

ひとりで塾を経営する上でノーストレスというのはあり得ません。何らかの悩みを常に抱えつつ、それに向き合って1つずつ解決していくしかありません。

これらのストレス以上にメリットを感じれる人がひとり塾経営には向いているのかもしれませんね。

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