開業時は、最低でも3年は耐えられる準備をする

石の上にも三年 心構え

塾を始めた途端に問い合わせが殺到してすぐに満席になり、翌月から月商100万を達成!

なんてことはひとり塾ではほとんど起こりません。

2,3ヶ月で生徒数2桁いけたら勝利くらいで、全く問い合わせがないなんてことも普通にあります。

苦しい時期が続くと、そこから逃れたくなるのが人間の性ですが、特に塾経営は『石の上にも3年』という言葉がぴったり当てはまります。

3年は続けるべき理由

結論、口コミが広まり、塾の存在が周知され、問い合わせが得やすくなるまでに3年程度は必要だからです。

開業後3年の流れ

実績作りの1年目

まず大前提、どこの馬の骨ともわからない人間が突然開いた塾がいきなり人気塾になるわけがありません。

でも開店と同時に行列になるラーメン屋とかあるし…塾もあり得るんじゃない?

飲食店のようにのその時だけサービスをうける業態と違い、塾は一度子供を入れれば少なくとも数ヶ月は見てもらうことになる場所です。

何の実績もない他人に子供を預けて月に何万も払うんですよ?相当ハードルが高いです。

家から近いからとか、たまたまチラシを見かけてとかで来てくれる最初の数人の成績を上げて、実績を作るには半年~1年はかかります。

さらにその実績作りも簡単ではありません。

知名度のある大手塾でない限り、個人塾に最初に問い合わせてくるのは低学力層が多いです。

大手の入塾テストで合格できなかった子や、大手で堕落して流れてきた子が、一縷の望みをかけてできたばかりの個人塾にくるわけです。

ある程度勉強できる子の成績は上げやすいですが、そもそも勉強への意識から希薄な子の成績を上げるのは大変です。かなりの時間と労力をかける覚悟が必要です。

1年目は、来てくれた数人の生徒の成績を上げることが第一です。実績をつくるための下積みの期間ですね。

我慢の2年目

1年目に成績が上げることが出来れば、保護者から信頼を得ることが出来ます。

しかし、そもそもまだ母数が少なすぎます。

10人、20人程度集め、そのうち成績が上がったのが半分だったとしても5人、10人ですから、1つの学校や1つの地域で考えればまだまだ少ない。

当然受験生は卒業します。開業初期はこれが結構キツイです。10人3年生がいたら、20万~30万の月売上が減るわけですから。

ただ、ホームページやチラシで、成績アップや進学の実績を載せられるようになるのは1年目との大きな違いです。

実績を載せられるようになると、指導に説得力が生まれるため、平均レベル~高学力層からも問い合わせが来るようになります。

1年目よりも成績を上げやすい子が増えてくる印象です。

1年目の生徒の成績を上げつつ、徐々に増える平均~上位層の成績もしっかり挙げていくことで口コミを下地を作ります。

卒業もあり生徒数はなかなか増えないかもしれませんが我慢の1年です。

口コミ集客が増え始める3年目

うまく2年目で実績を作れるようになると問い合わせも増えてきます。

『~○○さんのお母さんから聞いたんですけど』と口コミによる問い合わせがぽつぽつと出始めます。

2年目で入ってきた一部の優秀な生徒の成績を一気に上げることが出来れば、同じレベルの子からの紹介も来やすくなります。

1,2年目で仕込んだことが3年目で少しずつ開花していくようなイメージです。

もちろん、誰でもこのように順調にいくわけではありません。3年以上かかる人もいるでしょう。

しかしやはり3年はやらないと口コミでの安定集客は厳しいと感じます。

私は5年目まで年収500万を切っていました。

本当にど素人による経営だと5年はかかるんですね…20代半ばの若造で大した社会人経験ありませんでしたし。

しかし6年目に一気に年収800万まで行きました。

そこからは800万~1000万をうろうろしています。

私が5年目で辞めていたら大きな利益を失っていたということです。

継続は力なり。石の上にも3年。

先人の言葉は侮れません。

最低3年継続に必要なこと

せっかくコツコツ水をあげて少しずつ芽が育ってきたのに、水を買うお金が無くなって枯らしてしまうなんて悲しいですよね。

最低でも3年間続けられるようにするには、開業前の準備が必要不可欠です。

余裕のある運転資金

塾の開業自体は300万程度あれば十分できます。

そこから3年継続するためには早期の黒字化が必須です。

しかし、例えば塾生の8割が受験生だったら…?翌年には一気に赤字になるかもしれません。

コロナのような不測の事態で問い合わせが1つもなかったら…?

翌年すぐ近くに大手の個別指導塾が進出してきたら?

塾経営は何が起こるかわかりません。ですから、融資を受けてでも手元に十分な資金を持っておくことが重要です。

資金があればどれだけ不測の事態が起きても、冷静に対処できます。

『資金がない、どうしようどうしよう… 』とお金のことばかり考えていたら、目の前の指導に集中などできるはずがありません。

固定費を抑える

固定費を抑えることで損益分岐点が下がり、黒字化しやすくなります。

塾経営における2大支出は人件費と家賃。

ひとり塾経営では人件費はかからないので、抑えるべきは家賃です。

とはいえ、ある程度の広さの立地は妥協できないでしょうし、家賃相場は地域によって異なります。

個人的には10人入っても家賃が払えないような物件は避けるべきかと…

3年間はお金ではなく実績を作る

もちろんお金をいくら稼げるかも大切です。

しかし特に最初の3年はお金以上に大切なものがあると思っています。

それは口コミです。

口コミは最も信頼度が高く、コストがかからない、コスパ最高の集客方法です。

チラシを何万もかけて配る。

ホームページを何十万かけてつくってもらう。

大切な施策ですが、コストは確実にかかりますよね。

一方で、口コミにコストはかかりません。塾生のお母さんが営業マンとしてタダで活動してくれるのです。

生徒の成績を上げて、保護者の信頼を得て、保護者が営業マンになってくれるまでには3年はかかると思ってください。

生徒数とか、売上とか、目に見える成果だけに捉われるべきではありません。結果を出していれば、着実に口コミの種は生まれていますよ。

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